カーゴニュース 2025年1月9日 第5306号

物流界リーダー新年のあいさつ

2025/01/08 17:00
行政 団体 その他

物流が「飛躍する年」に

国土交通大臣 中野洋昌

 

 昨年4月にトラックドライバーに時間外労働の上限を定める規制が適用された一方、何も対策を講じなければ物流の停滞を生じかねない状況があった。このため昨年の通常国会で、荷主・物流事業者等の連携・協力を促進し、トラック運送の多重下請構造是正を図る改正物流法が成立した。本年4月の施行に向け、改正内容の周知などを徹底していく。また、ドライバーの賃上げに向け、標準的運賃の周知・啓発に引き続き取り組むとともに、トラック・物流Gメンの活動により荷主対策を強化する。「物流革新元年」とした2024年に引き続き25年がさらなる飛躍の年となるよう、政府一丸となって全力で取り組んでいく。

国土交通大臣 中野洋昌

物流産業全体の取引適正化に注力

国交省 物流・自動車局長 鶴田浩久

 

 物流は社会的インフラとして平時のみならず災害時においても緊急支援物資の輸送を行う我が国の基幹的な産業であり、そこで働く方々はエッセンシャルワーカーだ。その尽力と活躍に敬意を表する。政府が定めた「物流革新に向けた政策パッケージ」や「2030年度に向けた政府の中長期計画」などに基づき①物流の効率化②商慣行の見直し③荷主・消費者の行動変容を柱とした抜本的・総合的な対策を講じてきたが、今後も取り組みを強化していく。物流産業全体の取引適正化を進めるため、昨年11月にトラックGメンを「トラック・物流Gメン」と改称し体制を強化した。荷主の行動改善や取引適正化に向け対処していく。

国交省 物流・自動車局長 鶴田浩久

モーダル総体の「最適解」を追求

日本物流団体連合会会長 真貝康一

 

 物流の「2024年問題」にとどまらず、労働力不足や激甚化する自然災害への対応、カーボンニュートラル実現への対応など、さまざまな課題に直面するなか、今後も物流の持続的な成長を実現していくためには物流構造の抜本的かつ革新的な改革が求められる。国や地方自治体、荷主・一般消費者など、関係者すべてが連携・協力し、モーダル総体での「モーダルコンビネーションの最適解」を追求する必要がある。人材の確保をはじめ、効率化の前提となる標準化を推進するほか、業界の様々な問題について荷主・消費者など一般の方々に知っていただき、理解していただく取り組みを、国と連携して積極的に進めていく。

日本物流団体連合会会長 真貝康一

ロジスティクスを経営課題に

JILS会長 大橋徹二

 

 国内外の経済活動が活発化するなか、物流・ロジスティクスの重要性を産業界に一層普及させ、経営課題とすることが重要となる。JILSは、①持続可能な社会の実現に向けた「物流統括管理者連携推進会議」の実施②HRM(人的資本経営)の推進と企業価値向上③LX(ロジスティクス・トランスフォーメーション)による全体最適の実現と標準化の推進――の3つを方針に定めて活動する。また、今年9月に「国際物流総合展2025 INOVATION EXPO」を東京ビッグサイトで開催し、来年2月に「ロジスティクスソリューションフェア2026」を開催する。今年も行政と歩調を合わせ、産学の連携を強化し、全力で課題に取り組む。

JILS会長 大橋徹二

安定的な物流の確保へ適正競争を推進

全日本トラック協会会長 坂本克己

 

 これまでのようにトラック運送事業者同士が運賃・料金の安さで勝負していては、ドライバーの賃上げと労働環境改善につながらず、ドライバーのためにはならない。今こそトラック運送事業者は、「物流品質」で勝負しなければならない。適正競争の推進により、ドライバーの地位向上と労働条件の改善や事業経営の効率化が図られ、それが安定的な物流の確保につながり、国民経済の健全な発展に寄与する。全ト協では、業界内の適正競争推進による業界の健全な発展の実現に向け、次期通常国会において議員立法による貨物自動車運送事業法の改正とそれを担保する特別措置法(新法)の成立を目指し、事業許可の更新制等を追求していきたい。

全日本トラック協会会長 坂本克己
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