カーゴニュース 2025年2月6日 第5314号
ブリヂストン(本社・東京都中央区、石橋秀一Global CEO)の社内ベンチャーであるソフトロボティクスベンチャーズは、ゴム人工筋肉を使ったソフトロボットハンド「TETOTE」(テトテ)とAGVを組み合わせた移動型ソフトロボティクスを初公開した。
「TETOTE」は、タイヤやホースの開発・生産におけるノウハウを活用したゴム人工筋肉を適用したことで、様々な形状や素材を掴むことができるロボットハンド。対象部品ごとにハンドを変えたり特注ハンドを作成する必要がなく、ロボットアームに取り付けるだけで商品を掴む・置くことができるほか、簡単な組付けなどに活用可能だ。すでに、自動車メーカーなどの製造業の工場を中心に試験導入されている。
現在の「TETOTE」は、2㎏までの物を掴むことができるが、10㎏の重量物を掴めるタイプと、仕切り箱など狭い隙間にアプローチ可能な細い指の2パターンを年内にリリースを目指す。3パターンのハンドは簡単に付け替えができるため、導入後も、取り扱い商品の変更などに応じて、臨機応変な使用ができる。
1月22~24日まで東京ビッグサイトで開催された展示会「第9回ロボデックス」では、TETOTEとAGV(無人搬送車)を組み合わせた、移動型ソフトロボティクスが披露された。
「TETOTE」をとりつけたロボットアームとAGVを接続し、移動を伴う一連のピッキング作業を自律的にこなすことができる。「TETOTE」は様々なメーカーのAGV・AMRと接続可能なため、すでにAGV・AMRが稼働している現場でも、導入が可能だと言う。今後は、コスト圧縮と作業スピードの改善を行い、製造・物流現場などへの本格的な商品展開を視野に入れる。
また、会場では、吸着パッドとのハイブリッド型ソフトロボットハンド「TETOTE and」(テトテ アンド)も展示された。
「TETOTE and」のデモでは、ビジョンシステムやAIと高度に融合することで実現した高い処理能力を披露。ピースピッキングの自動化を阻んでいた、作業速度の遅さや把持できる対象数が制限をされるといった課題を克服し、様々な商品を事前登録せずにつかむことができるため、少量多品種を取り扱うEC向け物流施設などでの導入を見込んでいる。今後はピースピッキングの完全自動化を目指し、作業精度の向上など開発を加速させる方針だ。
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