多数の菓子メーカー・卸が出席

カーゴニュース 2025年3月11日 第5322号

菓子物流改善委員会
28年までにパレット化率50%に

説明会でメーカー・卸に協力呼びかけ

2025/03/10 16:00
荷主・物流子会社 効率化・改善 パレット

 菓子メーカー・卸などで構成する菓子物流改善委員会は5日、都内で活動内容についての説明会を開催した。当日はオンラインを含めて菓子メーカー58社、卸3社の計61社が出席。他業界に比べて低率にとどまっているパレット化率の拡大に向け、広く協力を呼びかけた。

 

 冒頭、事務局を務める三菱食品SCM統括・物流オペレーション本部長の大和田崇氏が挨拶し、「菓子業界はバラ積み・バラ降ろしの物流形態であり、配送を担うドライバーの作業環境ではとりわけ厳しい声を受けている。当社の数値によるパレタイズ物流の実施状況は、加工食品が67%、酒類が90%となっているのに対し、菓子は13%にとどまっている」と述べ、「パレット化がサステナブルな菓子物流を構築するための第一歩になる」と強調した。

 

 また、参加メーカーの立場から挨拶したブルボン執行役員業務推進管理部長の稲田浩氏は「物流が止まらないうちに次の施策を考えなければならない。物流改正法の施行に伴い4月から荷主にも物流効率化への努力義務が課される。一致団結した物流改善が必要であり、個別最適を全体最適に変えていかなければならない」と指摘した。

 

 説明会では、同委員会の活動内容として「パレット物流を前提とした標準化づくり」を進めていることが紹介されたほか、2028年までに菓子業界の全体物量のうち50%をパレット化していく目標を掲げていることが説明された。同委員会では23年11月に「自社パレットの運用を廃止し、11型の共通パレットを使用」など9項目からなる「標準化ガイドライン」を策定している。

 

 説明会ではこのほか、パレット納品の具体事例が紹介されたほか、パレタイズ化に向けた課題整理などが示され、参加メーカー・卸に対しパレット化の推進を訴えた。

 

 菓子物流改善委員会は22年8月に卸3社(三菱食品、コンフェックス、山星屋)・メーカー4社(亀田製菓、ブルボン、カルビー、明治)で発足し、シジシージャパンがオブザーバーとして参加。20年12月に新潟地区の菓子メーカー6社(岩塚製菓、越後製菓、亀田製菓、栗山米菓、三幸製菓、ブルボン)で発足した「新潟菓子メーカーパレット物流研究会」の取り組みを菓子業界全体に広げていくことを目的としている。日本加工食品卸協会(日食協)やSM物流研究会と連携するなど、製配販での課題解決にも力を入れている。

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