カーゴニュース 2025年3月13日 第5323号

インタビュー
グローバル営業を加速させる基盤づくりを進めていく
NIPPON EXPRESSホールディングス
専務執行役員 グローバル事業本部長
古江忠博 氏

2025/03/12 17:00
FOCUS インタビュー グローバル物流

デジタルマーケティングで営業基盤を強化

グローバルマーケティングのキービジュアル

 ――今年1月、GBHQ内に「ビジネスプロセス・オペレーション部」を新設したほか、マーケティングやセールスイネーブルメントに関する機能を営業戦略部に移管・集約する組織改正を行いました。

 

 古江 営業戦略に密接に関わるデジタルを中心としたマーケティング機能と、営業活動を支える仕組みとしてのセールスイネーブルメント機能を営業戦略部に取り込みました。それにより、営業戦略と一体になったグローバル営業を展開するための基盤づくりを進めていきます。今後、SMEなどの顧客層をさらに広げていくためには、デジタルマーケティング機能をより一層強化していく必要があります。その一環として今回、『Anything to Anywhere』というキービジュアルを作成して全世界で展開するとともに、LinkedInをはじめとするSNSを活用したデジタルマーケティングを強化していきます。

 

 例えば、お客様が当社の物流サービスを新たに採用する際、意思決定のプロセスに関わるステークホルダーは統計上、6~11人いると言われています。しかし、我々は直接的な担当者には実際にお会いすることができるものの、その背後にいる意思決定者にアクセスすることは難しく、その結果として取引に反対されたり、取引規模を縮小されるといったことがよくあります。つまり、セールス活動における課題のひとつは、こうした「Hidden decision maker(隠れた意思決定者)」に対してどのようにアクセスするかにあると考えられます。

 しかし、その一方で、隠れた意思決定者がそのブランドを認知している場合には、受注金額が増える傾向にあるとの調査結果もあります。その会社を知っているだけで一定の効果があるという意味で、まさにブランディングの重要性を示しています。そこで今回、デジタルマーケティングやブランディングの機能を営業戦略としっかりとリンクさせていく体制づくりを進めました。営業の難易度が高まっていく中で、営業に割ける人数を増やすことは年々難しくなっています。AIなどの機能も使いながら、効率的な営業ができる基盤づくりがより重要になっていくと考えています。

 

 

古江 忠博(ふるえ・ただひろ)

 1985年日本通運入社。メキシコ日本通運社長、関東甲信越ブロック統括部長、経営企画部長を経て、2019年4月執行役員中部ブロック地域総括兼名古屋支店長、22年1月取締役常務執行役員、24年1月現職。1963年生まれ

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