カーゴニュース 2025年10月30日 第5383号
いすゞ自動車(本社・横浜市西区、南真介社長COO)、富士通(本社・川崎市中原区、時田隆仁社長)、ロジスティクスナイト・ジャパン(LKJ、本社・東京都東小金井市、早田雅彦社長)の3社は27日、医薬品物流プラットフォームの構築に向けた共同実証を11月上旬から開始すると発表した。製造拠点から調剤薬局・病院などの最終納品先までの医薬品物流を一元管理する体制を構築するもので、輸送品質や適正温度の管理、共同輸送やパレット単位のシミュレーションを実施していく。
国内の医薬品は物流網全体で十分な量が確保されているものの、供給不安や在庫偏在により、医療機関や薬局などで局所的な医薬品の不足や廃棄などの問題が顕在化している。また、品質維持のために厳密な温度管理が求められることから、製薬メーカーや卸、物流事業者間における輸送や保管のトレーサビリティの確保が課題となっている。
今回の実証実験では、GDP(医薬品の適正流通)ガイドラインに準拠した物流網全体での医薬品の理論在庫値および輸送・保管温度の可視化、物流効率化に向けた共同輸送、作業効率化に向けたパレット輸送の導入効果検証――の3つのテーマに取り組んでいく。共同輸送では、国内で製造された医薬品を北海道内の調剤薬局や病院まで運ぶルートでシミュレーションを行う。
各社の取り組みとして、いすゞは高度な運行管理などを提供する情報基盤「GATEX」を活用し、輸送中の車両情報や運行情報を取得するためのシステムを提供。富士通は内閣府SIPプロジェクトで構築したPF要素技術を提供し、LKJは医薬品物流の専門的知見を提供する。
なお、同実証はトランストロンとRidgelinezを加えた5社共同で国土交通省の物流イノベーション実装支援事業に採択されており、今後は国交省および経済産業省が推進するフィジカルインターネット実現会議の医薬品ワーキンググループと連携していく。
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