カーゴニュース 2025年12月9日 第5394号
全日本トラック協会(寺岡洋一会長)は4日、第213回理事会を開催し、2026年度事業計画骨子を承認した。そのほか協会内に設置している14部会のうち百貨店部会の廃止、利用が低迷し施設が老朽化している三次トラックステーション(広島県三次市)の廃止などを審議し、承認した。また、軽油引取税の暫定税率は来年4月1日に廃止されることを報告した。
「交付金減額は事業崩壊をもたらす」
寺岡会長は「暫定税率の廃止に伴い、運輸事業振興助成交付金制度の論拠がなくなり、存続を危ぶむ声が協会員から寄せられているが、トラック運送業を安全かつ適正に維持する事業のためには交付金制度を現行水準で存続する必要がある。仮に交付金が2~3割でも減額された場合、全国47都道府県のトラック協会の事業は崩壊すると言っても過言ではない」と強調し、「多くの国会議員の理解をいただき、制度存続に向けて動いていただいている。協会としても全力で取り組んでいく」と語った。
閣僚らが「交付金は存続へ」と明言
理事会の終了後、会場を移して全日本トラック事業政治連盟(浅井隆会長)の政経懇談会を開催した。来賓として高市早苗首相をはじめ、金子恭之国土交通大臣、片山さつき財務大臣、自民党トラック輸送振興議員連盟会長の加藤勝信衆議院議員、公明党トラック議員懇話会会長の赤羽一嘉衆議院議員らが出席した。
高市首相は「私は自民党総裁選においても軽油の暫定税率廃止を公約として訴えてきたが、首相となってからは多くの方々の協力をいただいて実現できた。経済と社会を支える物流の担い手であるトラック運送業の皆さんへの敬意を表すとともに、今後もトラックの応援団として尽力していく」と挨拶した。
金子国交大臣は「運輸事業振興助成交付金の存続について多くの要望を受けており適切に対応していく」と語った。片山財務大臣は「業界の長年の課題となっていた暫定税率の撤廃を、担当する財務大臣として実現できたことは感慨深く、これも業界の方々の支援の賜物だと感謝したい。交付金については2026年度予算編成でしっかりと手当てする」と表明した。
自民党トラック議連の加藤会長は「軽油暫定税率の廃止を契機とし、交付金制度をあらためて立法化することが重要だ。各党の理解を得ながら、交付金関連法の今臨時国会での成立と、来年4月からの施行に向けて努力している」と語った。これを受け公明党トラック議員懇話会の赤羽会長は「本日開催した政務調査会全体会議で、各党に先駆けて交付金維持に向けた議員立法素案を承認した。他党の理解を得て、今臨時国会の会期中に成立させたい」と意欲を語った。
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