カーゴニュース 2025年11月6日 第5385号
日本自動車工業会(片山正則会長)が主催する「Japan Mobility Show2025」が10月30日、東京ビッグサイトで開幕した。「東京モーターショー」から名称を変更し2回目の開催となる今回は「ワクワクする未来を、探しに行こう!」をコンセプトに、乗用車、商用車、二輪車、車体、部品・機械器具、モビリティ関連のメーカーが出展。カーボンニュートラルや物物流効率化を意識した展示が目立った。
いすゞ、新型「ギガ」を初公開
いすゞ自動車はおよそ10年ぶりにキャブエクステリアを一新した大型トラック「ギガ」を初公開したほか、革新的な縦型フレーム「バーチカルコア」を採用し、荷物の積み替えが不要で、配送困難地域への対応や、荷物と人を同時に運ぶ新しい輸送の形を提案する「VCCC(Vertical Core Cycle Consept)」を発表。また、共同出展のUDトラックスは「クオン」などを展示した。
いすゞ自動車の南真介社長COOは「幹線輸送は、人手不足などの問題があり、長い荷待ち時間の解消も求められている」と指摘。「2027年度以降の自動運転実用化を実現するために、北海道で新たなテストコースの稼働準備を進めている」とし、「将来、配達や集荷も自動運転でサポートできることを目指す」と述べた。
三菱ふそうは2種類の水素駆動トラックを公開
三菱ふそうトラック・バスは、水素エンジン搭載大型トラック「H2IC」と液体水素搭載燃料電池大型トラック「H2FC」を初公開した。
「H2IC」は、圧縮水素ガスを燃料に使用し、ディーゼルトラックと共通のコンポーネントや技術を流用することでスムーズな水素車両への移行を可能にした。航続距離は700㎞。
「H2FC」は、水素を液体状態で搭載し、燃料電池システムが水素を電気に変換することで、電気モーターを駆動させて走行する。圧縮水素ガスよりも密度が高い液体水素を使用することで、最大1200㎞の航続距離を実現し、15分以内での充填が可能。
カール・デッペン社長CEOは「カーボンニュートラルを実現するための万能なソリューションは存在しない。社会にとって最適なソリューションを見つけるためには複数の技術を吟味する必要があるが、市場に提供すべき技術は外的要因に左右される」とした上で、「水素の配給網やインフラの成長、グリーン水素の価格、顧客からの要望などさまざまな要因は、時間とともに変化しコントロールできない。そのため、柔軟な姿勢を保ち、2つの水素技術を同時に開発する決断をした」と開発の意義を強調した。
日野自動車は、燃料電池大型トラック「日野プロフィアZ FCV」や、小型BEVトラック「日野デュトロZ EV」を初展示した。
小木曽聡社長CEOは「社会や顧客のニーズは多様化しており、原点に立ち返り、良い商品で社会に応えていく。商用車に求められる品質・耐久性・信頼性は日野の強みであり、これからもこだわりを詰め込んだ商品を提供していく」と語った。
タイヤメーカーの住友ゴム工業は、長期経営戦略「R.I.S.E.2035」をビジュアル化し、独自技術であるアクティブトレッドとセンシングコアを掛け合わせた次世代タイヤの未来像を紹介する。
横浜ゴムは、スーパーフォーミュラの車両を展示し、植物原料由来などのエタノールからブタジエンを高効率で生成する技術などを紹介。
ブリヂストンは空気充填が要らない次世代タイヤ「AirFree」や、輸送業界の課題を足元から解決するサブスクリプション型ソリューションサービス「トータルパッケージプラン」を展示する。
また、スタートアップ企業と様々な企業・人々が出会うことでモビリティ産業を拡張・加速させる「Startup Future Factory」では、オプティマインドがラストワンマイル配送のルート最適化サービス「Loogia」を紹介した。
会場ではこのほかに、10年後の近未来の技術やそれによってもたらされる生活の変化を体感できる「Tokyo Future Tour2035」のほか、子どもがメカニックや整備士、金属加工など車関連の職業体験ができる「Out of KidZania in Japan Mobility Show」などが催されている。
一般公開は、11月9日まで。
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