カーゴニュース 2025年12月2日 第5392号
大塚倉庫(本社・大阪市港区、濵長一彦社長)は、来年年明けから医薬品業界向けにパレットプールシステムの運用を開始する。プラスチックパレット製造大手である三甲のグループ会社、三甲パレットレンタルのプールシステムを活用し、医薬品メーカーがパレットを共有できる仕組みを提供していく。
11月19日に東京本部があるCROSS DOCK HARUMI(東京都中央区)で開催された「医薬品物流を考える会」のリアルセミナーで発表された。医薬品メーカー各社が共通パレットを使用して標準化を推進。パレットにRFIDを装着することで発荷主と着荷主との情報連携を強化し、着荷主側の荷受け業務の負担軽減につなげる。また、パレットの移動履歴を管理することで、医薬品のトレーサビリティを強化する。将来的には、パレットの個体情報とパレット上に積載された商品情報を紐づけることで、着荷主の検品レスも実現していく。当初は、医薬品メーカーが自社パレットを保有している現状を踏まえ、三甲パレットレンタルに自社パレットを預けるスキームを構築し、プールシステムに参画しやすくする。
セミナーで濵長社長は「標準化を進めなければデジタル化による情報連携は実現しない。物流現場を持続可能なものにするためにも、今から準備を進める必要がある」と述べ、出席者にプールシステムへの参加を呼びかけた。
当日のリアルセミナーには医薬品メーカーの物流担当者を中心に55社・約100人が出席。敬愛大学の根本敏則特任教授やローランド・ベルガーの小野塚征志パートナーによる講演を聴講した。
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