R&Dセンターを備える「品川物流センター」

カーゴニュース 2025年12月4日 第5393号

ニチレイロジG本社
技術検証拠点「R&Dセンター」公開

冷凍AMR開発など自動化機器の検証進む

2025/12/04 06:00
全文公開記事 荷主・物流子会社 コールドチェーン

 ニチレイロジグループ本社(本社・東京都千代田区、嶋本和訓社長)は11月27日、ロジスティクス・ネットワーク品川物流センター(東京都港区)内に開設した先端技術の検証拠点「ニチレイロジグループR&Dセンター」をメディアに公開した。当日は冷凍エリア内でもスムーズに稼働する独自のAMR(自律走行搬送ロボット)など、複数の自動化機器による検証の様子を紹介した。

 

 同センターは、冷凍冷蔵倉庫の低温環境下での庫内作業におけるマテハン機器を利用した自動化・省人化の検証を目的に昨年12月に開設し、テスト稼働を開始した。「品川物流センター」の1階に設けられ、冷凍エリア、冷蔵エリア、荷捌きエリアに分かれており、延床面積は1092㎡。各工程での個々の技術検証だけでなく、一連の業務フローにおける機器同士を連動による庫内業務全体の最適化についても検証を進めている。

 

 荷捌きエリア(5℃)では、HIKROBOT製のパレット搬送AGV(無人搬送車)やトヨタL&F(豊田自動織機)製のかご車搬送AGVによる自動搬送を実施。また、冷蔵エリア(3~5℃)では、Mujin製のアームロボットとAGVを連携させ、アームロボットがAGVから他のAGVへ荷物を積み替え、庫内を自動搬送する工程を検証している。

パレタイズを行うアームロボット

 さらに、冷凍エリア(マイナス20℃)では、アイシャトル製の平行水平シャトルとZIKOO製の3Dパレットシャトルが稼働。フォークリフトでシャトルに荷物を入庫すると、パレットがレール上を自動で移動し、庫内の奥へ格納されるなど、入出庫作業を自動化できる仕組みとなっている。3Dパレットシャトルは既存の冷凍倉庫への後付け設置が容易な柔軟性を備えている。

入出庫を自動化する2種類のシャトル

 加えて、冷凍環境化でも稼働する「冷凍AMR」の検証風景も公開した。実運用に向けて開発が進んでおり、温度帯の異なるエリアをまたいで商品を搬送した際の結露などが稼働に及ぼす影響や庫内レイアウトの変化への対応について検証を行っている。

開発中の「冷凍AMR」

『人と機械のベストミックス』目指す

 

 ニチレイロジグループ本社は新中期経営計画(2025~27年度)で、国内事業の重要施策として「持続可能な物流基盤のさらなる強化」を掲げている。その一環として「R&Dセンター」を通じて機器検証の加速と省力化モデルの整備・導入を進め、将来的なデータドリブン運営の実現を目指す。

 

 北川倫太郎取締役常務執行役員は「労働力不足の中でいかに安定したサービスを継続的に提供できるかは低温物流業界全体が直面する大きな課題だ。その中でも低温倉庫内での業務変革は欠かせない重要なテーマであり、全国で物流センターを運営する我々にとっては最重要課題のひとつとなる。また、業界を牽引する立場としても先頭に立って取り組んでいく義務がある」と述べた。

 

 また、勝亦充業務統括部長は「昨年度までの前中計ではタブレットやAGVなどをはじめとした各ロボティクスの個別作業の最適化を追求してきたが、新中計ではもう一段レベルを上げていく。人間とロボットがどう連携するのが有益なのかの検証を進め、『人と機械のベストミックス』を目指していく」と語った。

北川氏
勝亦氏
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