カーゴニュース 2026年1月20日 第5403号
国分グループ本社(本社・東京都中央区、國分晃社長兼COO)とヤマトホールディングス(本社・東京都中央区、長尾裕社長)は15日、持続可能な地域社会の創造に向けたパートナーシップ協定を締結した。商流と物流における両社の経営資源や強みを活かし、食の生産から生活者までをつなぐ流通プラットフォームを構築することで、食のサプライチェーンにおける価値創造を加速させる。ヤマトグループが保有するフレイター(貨物専用機)などを使い、地域の特産品を迅速かつ効率的に全国の消費地へ届けることで販売促進につなげるほか、「買い物難民」支援など地域固有の課題解決を支援していく。
具体的には、①買い物困難地域における移動販売・定置販売拠点の構築②地域営業拠点・施設を活用した生産地型集約拠点の構築③航空機(フレイター、ベリー)、宅急便ネットワークを活用した遠隔地間での食品流通の拡大④都市部におけるプロセスセンター(流通加工施設)や在庫型センターなどの消費地型拠点の構築⑤生産者と小売や外食事業者、消費者をつなぐダイレクトマーケットの創出――の5つの共創領域で具体的な取り組みを展開する。
買い物困難地域では、国分が商品を供給してヤマトの宅急便センターなどで店頭販売を行うほか、集配車両による移動販売モデルを構築。まずは中四国や九州の中山間地域や離島でサービスを開始し、小売業態が成立しないエリアでの生活課題の解決に貢献していく。
生産地型集約拠点の構築では、全国に約2800ヵ所あるヤマトの拠点を活用。集配車両が出払った閑散時間帯を活用して、生産者が持ち込んだ一次産品の一時保管や仕分け、包装などの加工業務を請け負い、産地での労働力不足に対応していく。
フレイターなどを活用した遠隔地間での食品流通拡大では、少量かつ消費期限が短いなどの理由から広範囲に流通させることができなかった地域の名産品を、都市部の消費地にスピーディーに輸送しスーパーなどで販売することで、地方の生産者をサポート。さらに、国際航空輸送との接続により海外販路の拡大も支援していく。
大田市場近接のヤマト拠点にプロセスセンター開設
プロセスセンターなど消費地型拠点の構築では、全国各地から集められた一次産品を消費地型拠点で一時保管し、仕分け・加工・梱包などを担う仕組みを構築する。第一弾として、国内最大の青果卸売市場である大田市場に近接しているヤマト運輸の拠点(東京レールゲートEAST内の「東京第一クールロジセンター」)の一部を国分が賃借し、青果用のプロセスセンターを運営していく準備を進めている。
ダイレクトマーケットの創出では、ヤマトの宅急便ネットワークを活かし、全国各地の伝統野菜や名産品などをダイレクトに消費者や外食事業者に届ける仕組みを構築するとともに、両社でECサイトを共同開設することも視野に入れている。
國分社長「食のサプライチェーンを強靭化」
15日に都内で行われた会見で、国分の國分社長は「当社の食品流通に関する知見や地域ネットワークと、ヤマトの日本全国を網羅する強固な物流インフラを掛け合わせることで、食のサプライチェーン全体を強靭化し、地域社会に新たな価値を提供できる」と協定締結の意義を強調。また、「一次産品の生産者の多くは経営的に苦しんでいる。良い商品が消費者からきちんと評価される仕組みをつくることで、持続可能な食に向けた課題解決に貢献したい」と述べた。
また、ヤマトHDの長尾社長は、宅急便の重要な顧客である一次産業の持続性や、宅急便ネットワーク維持への懸念を示した上で「これまではでき上がった品を運ぶだけだったが、商品ができるまでのプロセスで人手不足が課題になっている。商流に長けた国分との共創により、運ぶだけでなくプロセスセンターのような新たな付加価値を創造できる」と今後を展望した。
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