カーゴニュース 2026年3月10日 第5417号
Hacobu(ハコブ、本社・東京都港区、佐々木太郎社長CEO)は4日、全国の特定荷主企業に勤務する101人を対象に「特定荷主における物流効率化対応とCLO設置に関する実態調査」を実施し、その結果を公表した。それによると、特定荷主の7割以上が物流統括管理者(CLO)を「選任済み」または「選任予定」と回答していた。CLOの属性をみると、物流部門のトップが選任されるケースが多い一方、経営企画などの全社横断部門や社長・副社長クラスも一定の割合を占めており、物流の意思決定により広い視点が取り込まれつつあることがわかった。
CLOの属性、経営企画や社長・副社長など多様に
4月からの改正物効法施行により、一定規模以上の荷主企業にはCLOの選任が義務付けられる。物流改革の旗振り役として役員クラスが担うことを想定したポジションであり、今後は全国で約3000人のCLOの誕生が見込まれている。今回の調査は、従業員数1000人以上の荷主企業(物流子会社含む)の従業員を対象にインターネットで行われたもの。そのうち、自社が「特定荷主」に該当すると回答した101人を有効回答としている。
CLOの選任状況については、「選任済み」が30・7%となり、「選任予定」は45・5%で最多。両回答を合わせると76・2%に達し、CLO設置の動きが着実に進んでいた。一方、「未選任」は16・8%、「わからない」が6・9%となっている。
また、選任済みまた予定のCLOの属性を見ると、「従来の物流部門のトップ」が36・4%で最多だった。次いで「経営企画などの全社横断部門の役員クラス」が26・0%となり、「主力事業のトップ」(13・0%)、「社長・副社長」(11・7%)と続く。物流部門の出身者だけでなく、各社の状況に応じて様々な出自のCLOが生まれている状況となっている。
法対応や経営視点、全社横断力に期待集まる
CLOの選任理由では、「経営視点で物流課題を捉えることができる」と「全社横断で関係部門を巻き込む影響力がある」がどちらも58・4%で最多となった。次点で「物流・サプライチェーンに関する専門性・実務知見がある」(18・2%)が続く。Hacobuは「専門性よりも経営視点や全社横断力が重視されている点が特徴。CLOには物流実務の延長ではなく、組織全体を動かす統括機能が期待されている」と分析する。
CLOに期待する成果については「法規制対応を確実に行い、リスクを回避できている状態」(15・3%)が最多。続いて、「物流が経営アジェンダとして意思決定されている状態」(14・9%)、「データに基づいた、物流の現状把握」(13・5%)と並んだ。また、コスト削減や現場改善、全社的なネットワーク最適化、他社連携を挙げる回答も一定の割合を占めた。このことから、CLOには制度対応を起点に、物流を経営戦略へと接続する役割が期待されていることがうかがえる。
未選任の理由「精通した人材いない」が最多
CLOを「未選任」と回答した企業にその理由を尋ねると、「経営と物流の両方に精通した人材がいない」が47・4%と約半数を占めて最多となった。次いで「事業部ごとに分断されており、全社統括の経験を積める環境がない」(21・2%)、「物流部門が小規模、または存在せず、候補者層が薄い」(15・8%)と続いた。選任の難しさには、人材個人の問題にとどまらず、組織構造や育成環境に起因する課題が背景にある。
自社において「物流」を経営会議などの議題として取り上げているかについては、「必要に応じて取り上げている」が53・5%と過半数を占めた。続いて「定期的に取り上げている」が25・7%となり、両回答を合わせると約8割に達しており、「物流」が多くの企業で経営テーマとして認識され始めていることがわかった。
今回の結果を受けてHacobuは「CLOには物流の専門性だけでなく、経営と現場を接続し、部門を横断して全体最適を構想・推進する力が求められている。その実現にはデータに基づく現状把握や戦略設計、実行支援までを一貫して担う体制が重要」と総括している。
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