カーゴニュース 2026年4月9日 第5426号
グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は、日本の物流施設に関する最新の市況レポートを公表した。ホルムズ海峡封鎖によるサプライチェーンの混乱を踏まえ、在庫の積み増し傾向がスペース需要を生み出す一方、燃料費の高騰が資材輸送、建築コストの上昇につながり、供給のペースが落ちる可能性もあるとしている。
それによると、ホルムズ海峡封鎖の影響を受け、今後、サプライチェーンの寸断リスクを痛感した荷主は、中長期的に在庫戦略を変化させる可能性がある。手元に保有すべきバッファー在庫(安全在庫)の基準が引き上げられることで、追加の倉庫床面積(拡張需要)が必要となる可能性もあるという。一方で首都圏の新規供給量は前年比38%減と大幅に減少し、今後12ヵ月に予定される新規供給も過去5年平均比で6・6%減少する見込みとなっている。
建設資材(鉄骨、コンクリート等)の製造・輸送コストも燃料高に連動して上昇することが予想される。そのためデベロッパーの新規開発プロジェクトは建築費の高止まりによって採算確保がより困難となり、着工の延期・見直しを余儀なくされる可能性がある。中長期的には新規供給のペースが抑制され、既存物件における空室率の低下と賃料への上昇圧力が作用することも見込まれる。
原油高は電気代の急騰に直結し、とくに冷凍冷蔵倉庫やマテハン機器(自動化設備)を多用する最新鋭の大型施設では、テナントの光熱費負担が跳ね上がることも考えられる。結果として、屋根置き型太陽光発電設備を備えるなど、使用電力を自給・相殺できる「ESG対応型・省エネ物流施設」にテナント需要が集まり、環境性能に関わる賃料プレミアムがより明確化されてくる可能性がある。
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