カーゴニュース 2026年5月28日 第5438号
「全般的に危険物・化学品の荷動きは鈍いが、量が落ち込んでいるわけではない。リチウムイオン蓄電池についても、車載用は需要が鈍っている感があるが、産業用の蓄電池は増えている。マーケットの見極めは正直、難しい」と話すのは、日本危険物倉庫協会の瀬戸口仁三郎会長(築港)。中東情勢の影響については、BCP対策や在庫の確保により、「一時的にストック需要が増えることが考えられるが、事態が収束した時にどうなるかは見通しにくい」と慎重な見方だ。
危険物倉庫については、リチウムイオン蓄電池の需要増加を見込んで全国的に新増設が活発化。需要の“見込み”で建てるケースもあり、エリアによっては需給バランスが崩れ、価格競争も顕在化している。「公正な市場での自由な取引における価格競争はあって当然だが、それが過当競争に陥るとマーケットの混乱を招く」と指摘する。
昨今は、デベロッパーが、リチウムイオン蓄電池の保管需要や、ドライ倉庫よりも高い賃料収入への期待から、賃貸用危険物倉庫の開発に乗り出している。「危険物倉庫は雑貨を保管するのとは、わけが違う。運営上、リスクがあるのはもちろんのこと、不動産投資の対象としてもリスクが大きいのではないか」と見る。
マルチテナント型物流施設の競争が激しくなっている中で、デベロッパーはテナント誘致のためのオプションとして、危険物倉庫を併設するケースが多いが、「危険物倉庫の運営には、危険物の取り扱いや設備に対する知識と経験が不可欠。建てて、貸すだけで、運営の責任は負わない――というのは、危険物を扱う施設のあり方として違和感がある」と話す。
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