カーゴニュース 2026年5月28日 第5438号
ISOタンクコンテナリースの大手である仏EUROTAINER(ユーロテナー)は、175種の豊富なラインアップと堅調な需要を持つ特殊タンクコンテナの拡販戦略により、顧客の多様なニーズの確保を推進していく。現在の総保有数は、EUROTAINER全体で5万基、親会社であるStreemグループのRAFFLES LEASE(ラッフルズリース)が3万5000基で合計8万5000基に達する。
2025年度の日本事業は前年度と比べてリース基数が5%程度の増加となった。とくに半導体薬液原料となる黄リンを中心とした無機化学品の旺盛な需要が業績をけん引。半導体のニーズ高騰を背景に、品目としては最も輸送量が大きく成長しており、欧州でも約1000基をリースするなど好調だ。黄リンを含む無機化学品は引き合いが多い状態が続いており、今後も堅実な成長を見込んでいる。また、大手メーカーの工場が原料の調達をタンクコンテナによる配送に切り替えたことも、リースの増加を後押しした。
エリア別の動向として、海外ではオーストラリアの伸長が顕著であり、10%程度の成長となっている。同国では鉱山向けの無機化学品やLNG(液化天然ガス)の需要が底堅かった。一方で、中国や東南アジアは市場こそ大きいもののリース基数は減少しつつあり、中国の経済不振や米国の関税政策を背景に26年度もその傾向は継続すると見通す。また、中東エリアについても、冷媒ガスを中心とした需要高騰により直近の3年間は高い成長率を見せているものの、2月からの情勢悪化が成長にブレーキをかける可能性があり、地政学リスクは大きな懸念点となっている。
リース基数拡大から利益率向上へ、営業戦略に変化
タンクコンテナの返却数が業界全体で増加傾向にあるなか、26年に入ってからはその傾向が加速し、リース基数よりも返却数が上回っている状況だという。それに伴いリース料も下落傾向にある。EUROTAINERでは保有しているタンクコンテナの有効活用に注力するため、26年度のタンクコンテナの新造計画は未定としている。
EUROTAINER JAPANの玉田哲也代表は、現在の保有コンテナの稼働率は9割弱としたうえで「従来、営業部門ではどれだけリース基数を増やせるかという部分に集中しており、利益率までは目を向けることが少なかった。しかし、現在は契約更新のたびに値下げする状況にあるため、利益率は低下傾向にある。そうしたことから、当社では利益率の向上を重視した営業戦略を取っている」と説明する。
今後は同社ならではのタンクコンテナの豊富なラインアップを強みに、市場に数が少ないものの引き合いが強い特殊タンクコンテナの積極的な拡販を進めていく計画だ。同じグループ会社であるRAFFLES LEASEが汎用タンクコンテナに特化していることから、グループとしてEUROTAINERが特殊タンクコンテナのリース戦略に集中しやすい状況にあるという。
とくに拡販に注力しているのが半導体製造で使われる特殊ガスの輸送に対応した「MEGC(マルチエレメントガスシリンダー)」および、タンクの内部にフッ素ライニング加工を施したPTFEライニングタンク。付加価値の高さから利益率向上への寄与が期待されている。
このほか、顧客が所有するタンクコンテナをEUROTAINERが買い取った後、売主にリースする「リースバックサービス」のニーズ獲得にも力を入れる。現在はサービスに適した顧客層を模索している状況にあり、市場をチェックしながら適したターゲットにアプローチをかけていく計画だ。
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