カーゴニュース 2026年7月9日 第5450号

ひと/ドレージ安定化は社会全体にとって不可欠
東ト協 海コン専門部会 部会長 鈴木邦彦 氏

2026/07/08 16:00
全文公開記事 トラック輸送 インタビュー 海運

行政、港湾関係者、荷主と課題を共有へ

 

 「東京港は首都圏の経済活動を支える重要な物流インフラ。その足回りを担うドレージの安定化は社会全体にとって不可欠だ」と話すのは、東京都トラック協会海上コンテナ専門部会の鈴木邦彦部会長(国際コンテナ輸送)。6月の総会で新部会長に就任。「コンテナターミナル(CT)での慢性的な待機をはじめ、ドレージ会社の自助努力だけでは解決が難しい課題が積み上がっている。部会として安全・安定輸送を最優先に、部会員の声を丁寧に拾い上げ、行政や港湾係者、荷主企業と課題を共有しながら、東京港全体の物流効率化と持続可能な輸送体制の構築に貢献したい」と抱負を語る。

 

 鈴木氏はドライバー出身。一般トラックから海コンドライバーに転じた後、2011年に配車担当として国際コンテナ輸送に入社。「父もドライバーで、子供の頃は助手席に乗せてもらい、トラックを身近に感じていた。『大学を出てなぜドライバーに?』と聞かれることもあったが、トラックが好きで好きでたまらなかった」と明かす。

 

 東京港のドレージはドライバー不足により需給がひっ迫し、CTでの慢性的な長時間待機も依然、懸案となっている。荷主に待機料を請求する動きもあるが、「ドライバー、シャーシが拘束される非効率を考えると、待機料をもらっても採算が合わず、待機の長いCTの搬出入は断りたい――というのがドレージ会社の本音ではないか」と見る。

 

 「長時間待機は安全運行にも影響する。ドライバーを確保するうえでもマイナスであり、業界にとって解決すべき最重要テーマ」と位置づける。CTの待機時間調査の継続的な実施を通じ、「どの時間帯に、どのターミナルが、どのような運用で待機が発生しているかデータを把握し、行政や港湾関係者に具体的な改善を働きかけていく」考えだ。

 

 ドレージ業界が抱えるもうひとつの大きな課題が適正運賃・料金の収受。長時間待機、短いリードタイム、急な予定変更など現場の「負荷」を明確に把握する必要性を強調。「ドレージ会社と荷主との間で持続可能な取引環境の整備が不可欠で、若い世代に選ばれる業界になるよう労働環境の改善に取り組みたい」と語る。

 昨今、荷主は東京港のドレージ確保に苦慮しているが、「限られたドライバーや車両、ゲート処理能力の制約の中でドレージが成り立っていることを理解いただきたい。納品時間の柔軟化や十分なリードタイムの確保、待機料等の適正な負担等について、建設的に協議していただけるような関係づくりをお願いしたい」と要望。

 

 行政に対しては、2028年度に開始予定の大井ふ頭の再編整備にあたって、「動線を検討する段階から海コン部会にも関与させてほしい」と訴える。東京都が推進する、CTが空いている時間帯に搬出入を行う「オフピーク搬出入」事業についても「(東京都港湾局だけでなく)国も入った検討体制にすべきだ」と提言する。

 

 なお、鈴木氏は神奈川県トラック協会海上コンテナ部会の活動に8年間携わった経験がある。鈴木氏によると、横浜港では海コン部会、港湾関係者、行政の3者が連携して課題解決に取り組み、CTの混雑解消でも成果を上げており、「こうした実績を東京港でも共有し、よいところは取り入れて、改善につなげていきたい」と話す。

 

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