パネルディスカッションで活発な議論

カーゴニュース 2026年7月9日 第5450号

JPIC
「CLOカンファレンス」開催

物流が企業成長の軸となる時代へ

2026/07/08 16:00
全文公開記事 荷主・物流子会社 行政

 フィジカルインターネットセンター(JPIC、森隆行理事長)は3日、都内で「フィジカルインターネットフェス2026」と「CLOカンファレンス2026」を同時開催した。

 

 JPICの奥住智洋事務局長は、企業の共同物流やサプライチェーンの取り組み状況などの進捗を評価する認証制度「フィジカルインターネット成熟度モデル(PIMM)」について説明。「PI進捗の指標となるPIMMのバージョン1・0の策定を完了し、本日3日から認証審査を受け付ける。改善を客観的に評価する指標となるもの。是非とも活用し、改善に役立てていただきたい」と呼びかけた。

 

 「フェス2026」では物流事業者と荷主などが、物流改善に寄与するソリューションの紹介や改善事例を報告した。オプティマインドは「自動車部品の地方共同配送」、soucoは「フレキシブル建材拠点の取り組み」について報告。東京海上ホールディングスは、トラックの輸送力不足解消を目指し、複数企業が横断して行う中継輸送ネットワークを構築する共同事業体「物流コンソーシアムbaton」の取り組みを説明した。日清食品は、荷主連携の共同物流では着荷主起点の共同物流が重要だと指摘。JR貨物とSSTは、鉄道モーダルシフトとPIの融合をテーマに「トラックと鉄道のハイブリッド連携モデル」を説明した。ハコベルは「輸送リソースのオープン化」に向けた取り組みを紹介し、PI実現会議内に設置された化学品WGは、化学品業界の物流改善に向けた各種施策を報告した。

 

「社会課題への対応」もCLOの役割

 

 休憩をはさんで、午後からは「CLOカンファレンス2026」を開催した。森理事長の挨拶の後、経済産業省商務・サービスグループ流通政策課長兼物流企画室長の平林孝之氏と流通経済大学の矢野裕児教授が講演した。平林氏は、改正物流効率化法が規定する物流統括管理者(CLO)の意義を説明。CLOが「物流改善に向けて果たす役割に期待している」とCLOやCLO候補者にエールを贈った。矢野教授は自身が座長を務めた有識者会議で取りまとめた「CLOのあるべき姿」に関する提言の内容を紹介し、「法令により物流統括管理者の選任が義務化されたが、CLOのあるべき姿としては、法令上の職責にとどまらず、広く社会課題に対応することが重要。物流の観点から企業活動全体の改革に取り組むべきだ」と指摘した。

 

課題共有が持続可能な物流には不可欠

 

 講演の後、CLOの役割や物流事業者との関係をテーマにパネルディスカッションを開催した。矢野教授が司会者を務め、パネリストには、ダイキン工業物流本部長の生地幹氏、梅の花グループ物流部部長の三井田浩二氏、ロジスティード業務執行役員(CTO)エンジニアリングイノベーション本部長の櫻田崇治氏、経産省の平林氏らが登壇。

 

 ダイキン工業の生地氏は「CLOは物流事業者との信頼関係が大切だ。荷主として、物流事業者とより次元の高いパートナーシップを築いていく」と述べ、CLOを軸とした関係構築の重要性を指摘した。梅の花グループの三井田氏は「全体最適は理想的だが、実際の物流には様々なトレードオフの場面がある。トレードオフを調整し、荷主と物流事業者で課題を共有することが持続可能な物流には不可欠だ」と話した。

 

 一方、ロジスティードの櫻田氏は「これまで物流事業者側も物流の共同化を十分に提案してこなかった面もある。物流は社会インフラであるとの認識を踏まえ、必要なトレードオフに配慮しながら、事業者がより積極的に物流改善を提案していくことが重要」と述べた。経産省の平林氏は「今後は物流が企業成長の軸となる。物流を経営戦略として先導するCLOは重要な役割を持つ」と強調した。 

 

 

 

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