カーゴニュース 2025年12月16日 第5396号
Point2
新南陽駅の改良で山陽線のカバー率向上へ
過去の事例でも明らかなように、貨物鉄道の全国ネットワークのなかで最大のボトルネックとなるリスクが高いのが山陽線。関東・関西と九州を結ぶ主要幹線であることに加え、迂回列車の設定が困難であることなど、BCP面で難しい課題を抱えている。
そうしたなか、JR貨物が現在、国の予算を活用しながら進めているのが、新南陽駅(山口県周南市)の改良工事による代行拠点駅化だ。鉄道ロジスティクス本部運輸部新南陽駅改良工事推進グループのグループリーダーを務める須田康之氏は「改良工事のポイントは、代行トラック用の駐車場整備とコンテナホームの拡張の2点」と説明する。
このうち代行トラック駐車場は11月末に整備が完了し、トラック110台分の駐車が可能になった。ただ、現状では通路部分が狭いため、限定的な使用にとどまる。通路幅を広げる工事を来年度に実施する計画だ。併せて必要に応じて民有地を賃借し、トラック80台分の駐車スペースを確保するスキームも構築している。
コンテナホーム拡張では、山側にある線路1本を剥がしてホーム幅を4m広げる工事が11月末に完了。今後は海側を広げる工事に着手していく。すでに拡張予定地に建っていた駅舎に代わる新駅舎が完成しており、移転完了を待って現在の駅舎を解体する。海側はホームを8m拡張し、山側と海側を合わせてコンテナホームを最大12m拡幅する計画。現時点では26年度末の工事完了を予定している。
完成後の新南陽駅は、26両編成のコンテナ列車が入線できる線路を備えるとともに、コンテナホーム面積が4900㎡に拡張される。コンテナ留置数(12ftコンテナ換算)は現状の600個から300個増となる900個まで増強され、山陽線に輸送障害が起きた際の代行輸送のカバー率は現状の4・9%から3倍の15%まで高まる。「まだまだ低いかもしれないが、片道で1日240個程度の代行輸送力を生み出すことで、救えるコンテナの数は間違いなく増える」(須田氏)と語る。
JR貨物は30年度に災害時における山陽線のカバー率を50%まで高めることを目標に掲げる。「かなりハードルが高い目標であることは確かだが、今後も他の貨物駅での拡幅なども検討しながら、少しでもカバー率を高めていく取り組みを推進していく」(入江氏)と述べる。
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