カーゴニュース 2026年2月19日 第5412号
日本倉庫協会(藤倉正夫会長)は13日、記者説明会と記者懇談会を開催した。記者説明会には福西康人広報委員長(杉村倉庫)、鈴木又右衞門広報副委員長(太成倉庫)、米田浩理事長、陣上伸二常務理事、北本満純業務部長、東康史部長が登壇。令和8年度事業計画のポイント案や日倉協の最近の広報活動について説明した。
ビジュアル重視の倉庫業PRパンフレット作成
開会にあたり福西委員長は、「昨年の説明会では、『物流の2024年問題』を前に適正な料金の収受や価格転嫁の難しさについてお話ししたが、これらの課題は今なお重要であり、引き続き注目すべきテーマであると認識している。一方で、現在、倉庫業界でとくに深刻な課題は人材不足への対応だ。物流倉庫が特定技能および育成就労制度の対象分野に追加されたことは、業界にとって大きな転機となる。国内人材の確保とあわせて、中長的な人材育成の重要性は今後もさらに高まっていく」と展望した。
また、「来年度は新物流効率化法に基づく、新たな制度の本格運用をはじめ、標準倉庫寄託約款の改正など、制度面での動きも加速していく。日倉協としては、こうした制度や事業環境の変化に関する情報を会員事業者の皆様に適時適切に提供し、円滑な事業運営を支援していくことが重要な役割となる。人材確保や制度対応を進めていくためには、その前提として倉庫業の役割や仕事の実態が社会に正しく理解されることが欠かせない」とし、広報委員会の活動を紹介。次世代を担う若年層に向け、ビジュアル重視の倉庫業PRパンフレット(写真)を作成したことや、新たな「入会案内」についても、現在完成に向けた最終的な取りまとめを進めていると報告した。
続いて米田理事長が令和8年度事業計画について説明。地区協会および会員事業者との連携では、新たに作成した「入会案内」の積極的活用を促し、地区協会の新規会員勧誘活動を支援。改正標準倉庫寄託約款については関係団体や関係省庁と連携し、解説書・解説動画等を作成し、会員事業者への周知に努める。人手不足への対応では、会員事業者が外国人特定技能制度および育成就労制度の理解を深め、外国人の受け入れと活用に資するよう会員向け説明会の開催や評価試験の適正な実施など制度運用に必要な取り組みを行う。
改正倉庫約款、「準拠基準」で国交大臣の“お墨付き”
質疑応答では、4月1日から施行予定の改正標準倉庫寄託約款について陣上常務理事が、施行前であるため荷主に内容を紹介できていないとしたうえで、「現行の約款が『通達』という形であるのに対して、新たな改正約款は『大臣告示』であり、それなりに重い扱いになる。現状の寄託契約よりも約款が準拠基準になると言える。今後、改正約款に基づいて新たに寄託契約を更新する場合には、『これが準拠基準である』ということを荷主に伝え、国の“お墨付き”を得ていることをご理解いただきたい」と述べた。
改正約款の項目の一例として、荷待ち時間・荷役時間の短縮に関連し、現行の約款であいまいだった「貨物の内容不検査」について明確に規定されたことを挙げ、倉庫での入出庫がスピーディーに行われる可能性を指摘。「荷主から貨物内容を検査するよう指示があった場合は、それが付帯作業にあたり料金を請求できることも新たな約款には規定されている」とし、物流効率化と付帯作業の価格転嫁につながる期待を示した。
記者懇談会には藤倉会長(三菱倉庫)も参加。「昨今、物流業界を取り巻く環境は大きく変化している。今年も改正物流効率化法に基づく特定事業者に対する義務の開始や、新しい標準倉庫寄託約款の施行、次期総合物流施策大綱の策定といったイベントが控えている。これらの変化に対する当協会の取り組みを広く社会に発信することは、荷主企業様の理解を得る上でも大変重要な意義を持つ」と挨拶。乾杯の発声を鈴木広報副委員長が行い、積極的な広報活動に力を入れると表明し、歓談に移った。
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