カーゴニュース 2026年3月26日 第5422号
帰り荷確保で他荷主と連携、コスト削減にも寄与
輸送後の空コンテナの有効活用に向けた帰り荷確保にあたり、他荷主との連携にも積極的だ。24年11月にはロッテと共同で、JOTの「31ftスーパーURコンテナ」を活用したラウンドマッチング輸送を開始。ブルボンが新潟から福岡の物流センターに輸送したコンテナの復路輸送で、ロッテの九州工場(福岡)から大阪向けの荷物をマッチングして積載する。
さらに25年12月には、ブルボンに商品の原料を提供している不二製油と共同で、新潟~関西間でのラウンド輸送もスタートした。新潟から関西へブルボンの製品を輸送したコンテナに、関西の不二製油の拠点で製品を積載して新潟向けに輸送する。鉄道以外の輸送部分では、新潟から関西への輸送を中越通運が手がけ、関西から新潟への輸送はセンコーが担う。このほか、長崎から金沢まで他荷主の冷凍食品を、岡山からはラップを帰り荷として輸送。これらの取り組みにより、鉄道利用拡大による環境負荷低減だけでなく、回送にかかっていたコストの削減につなげている。
他方、鉄道輸送にあたって大きな課題は、最も物量が多い冬季における暴風や豪雪による輸送障害だ。年に1~2回の頻度で発生しており、運行中止になると長いときには1~2週間近く鉄道輸送ができない状態が続くという。輸送中に鉄道が止まることもあり、業務推進管理部の山口寿次長は「保冷のためにコンテナ用の軽油を途中の駅で給油してもらうなどの対応を進めているが、気温が高い夏場で輸送障害が起きた際にはとくに注意している」と説明する。
また、複数の輸送モードを併用しているため、鉄道より後に工場を出発したトラックが先に物流拠点に到着した場合、製造日の日付が逆転してしまうこともある。こうした事態を防ぐため、あらかじめ鉄道の運休が見込まれそうな状況を見越して、早いうちからトラック輸送への代替や、トラック輸送を控えた商品の出荷を一時的に止めるなどの対応を取っている。
〝健康は環境から〟モットーに鉄道輸送の重要性PR
ブルボンが鉄道コンテナの利用を開始したのは1931年で、旧社名の北日本製菓だった時代。当時、最も大型だった1tコンテナは取り扱える駅が限られており、日本海側に指定駅はなかった。鉄道利用の開始に向けて、初代の吉田吉造社長が柏崎駅を指定駅にするよう旧・鉄道省に上申。北日本製菓が提案したコンテナが国鉄に採用されたことから、翌32年には柏崎~秋葉原間での輸送を開始した。第1号輸送では、吉田氏が自ら秋葉原まで同乗し、輸送品質の確認を行ったという。以来、90年以上にわたり鉄道は同社の重要な輸送手段となっている。
2006年12月に「イオン水」などのミネラルウォーター商品が初のエコレールマーク商品に認定されたのを皮切りに、13年には同社の人気商品であるプチシリーズ24品も認定を受けており、現在は40品以上で認定を取得している。稲田氏は「当社の会長は〝健康は環境から〟という理念を持っており、将来に良い環境を残すためにも、鉄道輸送の利用やエコレールマークの取得には大きな意義がある」と語る。商品の外装や段ボールにエコレールマークを表示することでマークの認知度向上を推進。さらに、13年にはエコレールマークのPRに向けたCM動画を制作・放映するなど、物流の環境活動における鉄道利用の重要性をアピールしてきた。
こうしたエコレールマークの認知度向上の取り組みや鉄道貨物輸送の利用拡大への貢献が高く評価され、25年10月、鉄道貨物協会が主催する25年度「エコレールマーク大賞」において第1回大賞を受賞した。今回の受賞について稲田氏は「先人から伝えられてきたことを続けてきた結果が評価されたものだと思っている」と喜びを語る。
物流面における効率化や環境対応の取り組みは鉄道輸送だけにとどまらない。新潟に本拠を置く菓子メーカー6社と共同で、20年12月に「新潟菓子メーカーパレット物流研究会」を発足し、パレット積みによる共同配送などの積載率向上に向けた施策を推進。また、25年7月には新潟~関東間で岩塚製菓と25mダブル連結トラックの定期運行を開始し、今後は両社共通の包材メーカーの製品を帰り荷として輸送する計画も進行中だ。
加えて、複数荷主による同一の納品先への共同配送も計画しており、納品先が遠方だった場合には鉄道利用も視野に入れている。研究会は25年度から「新潟菓子メーカー物流研究会」と改称しており、さらなる物流連携の強化を目指す。稲田氏は「開発・販売は競争だが、物流は協調領域。新潟県内のメーカー間で情報交換を進めつつ、連携できることを今後も検討し続けていく」と述べる。
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