カーゴニュース 2026年3月26日 第5422号
全通系通運事業者として最大のコンテナ取扱個数を誇るセンコー(本社・大阪市北区、大越昇社長)。幹線物流を強化する「マルチモーダル」戦略にグループを挙げて取り組むなか、鉄道コンテナ輸送をダブル連結トラックや海運と並ぶ重要輸送モードに位置づける。今後は他の通運事業者との連携・協働をさらに加速させることで、強固なネットワーク構築に注力するとともに、鉄道貨物インフラ維持にも貢献していく。
25年度はコロナ前の水準への回復目指す
同社が通運事業を開始したのは戦後間もない1948年。鹿児島本線の水俣駅で日本窒素肥料(現JNC)水俣工場限定の通運事業を開始したことにさかのぼる。その後、56年に大阪・梅田駅(当時)に進出し、本格的な通運事業をスタートさせた。現在はグループ全体で43の貨物駅で事業を行うまでに拡大。常務理事で事業政策推進本部通運事業推進部長の八巻達也氏は「水俣駅で通運事業を開始した経緯もあって、事業を直接的に行っているのは西日本が中心」と説明する。
コンテナ発着個数は2019年度に過去最高となる約21万個(12ftコンテナ換算)を記録するなど取り扱いを順調に伸ばしてきたが、コロナ禍を機に取り扱いが減少。その後は徐々に復調を続け、25年度は19年度の実績を上回ることを目標に掲げる。ただ、上期までは取り扱いを順調に伸ばしてきたものの、下期以降は荷動きが鈍化。「石化関係を中心に出荷が低調になってきたことに加え、1月末から2月初旬にかけて北日本で起きた雪害の影響で足元では前年を割る状態が続いている。コロナ前の21万個を超えられるかは微妙な状況だ」と語る。
適正原価のスタート見据え、安価での受注を回避
新規営業は本社営業部が中心的に担い、現状でも数多くの引き合いや見積り依頼が寄せられる。総合物流大手であるセンコーの強力な営業力もあり、多岐にわたる品目で鉄道シフトが実現しているものの、コストやリードタイム、輸送条件などが折り合わず、実施に結びつかないケースも少なくない。とくにコスト面では適正料金収受を全社的に進めていることもあり、安価での受注は行わない方針。「約2年後の28年度中にもトラックの適正原価制度がスタートしてトラック運賃が上昇すれば、鉄道輸送の優位性が高まる可能性がある。いまは過渡期だと考えている」と述べ、先を見据えた施策に重きを置いている。
他方、トラックドライバーの働き方改革が進むなか、一般トラックで貨物駅まで荷物を運び、そこでコンテナに積み替えて鉄道で長距離輸送する依頼が増えているという。「100㎞など比較的遠距離から貨物駅に荷物を持ち込むケースもある。その際にお客様にお勧めしているのは、現在利用している運送会社を引き続き使ってほしいということ。トラックの台数が少なくなるなかで、お客様にとっても既存の運送会社を手放すことはデメリット。物流業界全体でも、今後は限られたリソースをいかに有効活用することがより大事になってくる」と指摘する。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。