カーゴニュース 2026年4月14日 第5427号
NX総合研究所(本社・東京都千代田区、鈴木理仁社長)は8日「2026年度の経済と貨物輸送の見通し・改訂版」(3月31日時点)を発表した。国際通貨基金(IMF)が1月19日に発表した26年の世界経済見通しで、世界経済成長率を前年度比3・3%増(前回予想対比0・2pt上昇)、日本経済成長率を0・7%増(0・1pt上昇)と上方修正したことを受けて改訂。その後、2月末に米国・イスラエルがイランに軍事攻撃を行ったことを契機に中東情勢が緊迫化したことから、世界経済について一層の下振れリスクを加味した。日本経済は緊縮財政から積極財政への転換を受け、26年度(暦年)下期以降は消費マインドや投資マインドが上向くと期待して予測を立てた。25年度の日本の実質経済成長率は前年度の0・2%減から1・2%増とプラス成長に転換し、26年度は通年で1・0%増と若干減速するものの、下期以降は景気が上向くと予想した。
消費・生産貨物は増加、建設貨物は減少
25年度の国内貨物総輸送量は39億6980万t(前年度比2・9%減)、26年度は39億5810万t(0・3%減)とそれぞれ小幅ながら下方修正した。25年度上期の総輸送量は、消費関連貨物が堅調に推移する一方、生産関連貨物と建設関連貨物が振るわず、トータルでは3・9%減。下期は消費関連が増勢を維持するも、生産関連と建設関連が低調に推移し、通年では2・9%減と予測。26年度上期の総輸送量は、消費関連は堅調を保ち、生産関連にも持ち直しの動きが期待できる一方、建設関連が下押しし、トータルでは微減と見込んだ。下期は、生産関連の増勢拡大が見込まれるも、建設関連が引き続き停滞し、消費関連にも弱含みの動きを予測し、トータルでは0・4%減と予測した。通年では0・3%減と5年連続の減少になる見通しながら、前年度よりも大幅に改善し、建設を除いた一般貨物については、通年で1・0%増とプラスに転じると見込んだ。
26年度の消費関連は、飲料品・日用品をはじめとする個人消費に堅調な動きが期待でき、トータルでは1・0%増と予想。生産関連は、一般機械が堅調に推移し、鉄鋼・化学工業品がやや低調となるが、トータルでは1・1%増と3年ぶりに増加。一方、建設関連は建設資材価格や人件費の高騰などを背景に盛り上がりを欠いた動きを予想し、2・2%減となり、総輸送量を下押しすると見込んだ。
輸送モード別に26年度の輸送量をみると、JRコンテナは1~3月の雪害に伴う輸送障害がマイナス要因となったほか、リニア中央新幹線建設工事に伴う発生土輸送が頭打ちになったこともあり、2・2%減と3年ぶりにマイナス。一方、JR車扱は石油輸送が堅調で1・0%増と予想した。営業用トラックは消費関連・生産関連が堅調で0・4%増と5年ぶりにプラスとなるも、自家用トラックは建設関連が低調で1・9%減と見込んだ。内航海運は石油製品の増加を受け、0・1%増と微増ながら5年ぶりの増加。国内航空は大手宅配事業者の貨物専用便運航による押し上げ効果が剥落することで5・1%減と5年ぶりのマイナスを見込んだ。
国際貨物をみると、外貿コンテナの輸出は25年度が0・2%減、26年度が1・1%減といずれもマイナス。一方、輸入は25年度が2・4%増、26年度は2・8%増と伸長する見通し。国際航空貨物の輸出は25年度が1・9%増、26年度が3・1%増といずれもプラスとなり、輸入は25年度が5・8%増、26年度が5・1%増と増勢が続くと見込んだ。
4~6月の荷動きは上向きを期待
併せて、製造・卸を対象とした荷動き動向の速報値も発表した。それによると、26年1~3月実績の国内向け出荷量「荷動き指数」はマイナス7と、前期(25年10~12月)実績(マイナス4)から3pt低下。前回(12月)調査時の見通し(マイナス6)より1pt低下した。続く4~6月見通しでは4pt改善とプラス方向に改善し、マイナス3とした。ただ、今後の不透明な国際情勢により、下振れの可能性も含むとした。
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