カーゴニュース 2026年4月16日 第5428号
ヤマトホールディングス(本社・東京都中央区、櫻井敏之社長)と日本航空(JAL、本社・東京都品川区、鳥取三津子社長)、JALグループのスプリング・ジャパン(本社・千葉県成田市、浅見達朗社長)の3社は10日、関西国際空港で、3月から同空港~新千歳空港間を就航しているヤマトグループの貨物専用機(フレイター)による輸送をメディアに公開した。同機の運航により長距離輸送の輸送力不足の解消につなげるとともに、今後の輸出も視野に地産品輸送による地方創生にも貢献していく
ヤマトグループとJALグループは、2024年4月から、国内線では唯一の定期貨物便として、貨物専用機の運航を開始。最大搭載重量は28t(10tトラック5~6台分)で、これまで成田空港、羽田空港、新千歳空港、北九州空港、那覇空港で運用を進めてきた。今年3月24日からは関西空港でも就航。新千歳空港まで1日1便の往復輸送を実施している。
基本の運航ダイヤは、新千歳空港を7時45分に出発し、10時15分に関西空港に到着。11時30分に関西空港を出発して、13時30分に新千歳空港へ到着するスケジュールとなる。10日は国分グループ本社が荷主となる牛乳6・5tに加え、宅急便1・1tの計7・6tを積載した貨物専用機が新千歳空港を7時33分に出発し、9時59分に関西空港に到着。スポットでコンテナを荷降ろし後、上屋に運んで荷役作業を行った。その後、貨物専用機に新千歳空港行きの宅急便約1・6tを積んだコンテナを搭載して、11時41分に関西空港を出発した。北海道からの牛乳は同梱した保冷剤によって鮮度を保っており、貨物専用機では同資材を活用した活魚のスピード輸送も行っている。
輸送リードタイムの変化については関西から北海道への宅急便の場合、通常のトラック配送では翌々日に配達していたが、貨物専用機での輸送では翌日の配達が可能になるという。
関空経由の輸出も視野に
〝地方創生〟を支援
ヤマトグループが貨物専用機の運航を開始した背景には輸送力不足が懸念される「2024年問題」への対応がある。トラックによる長距離幹線輸送が難しくなる中で、関西~北海道・東北までの輸送はとくに影響があるとして、代替となる輸送力の確保を目的としている。さらに、北海道や九州などの農水産品、工業製品を空輸することで、流通の拡大や地方の所得倍増といった地方創生の取り組みにもつなげていく計画。
ヤマト運輸の下簗亮一貨物航空輸送部長は「半導体などの工業製品などでは地方への企業誘致が進んでいる。地方の企業の製品を国内外に向けてスピーディーに輸送できる環境を構築することが、地方創生のカギとなる。輸送力不足を解消しつつ、新たな付加価値を生んで地方を発展させる、その両輪でやっていきたい」と説明。実際に国内で航空輸送した貨物を輸出に接続する取り組みをすでに行っていることを報告し、今回の関西空港での運航開始も、今後の円滑な輸出を視野に入れたものだと明かした。そのうえで、「宅急便はもとより、関西圏では自動車関連部品の製造も多いため、食品や工業製品といったBtoBの貨物についても、輸送ニーズを取り込んでいきたい」と期待を込めた。
関西空港の輸出ハブとしての利点については「成田は欧米向けのネットワークが豊富だが、関西空港はアジア向けが非常に強い。お客様の選択肢のひとつとして関西空港を提案すると同時に、同空港をハブとして利用することは日本の航空産業にとってのメリットとなる」と語った。
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