カーゴニュース 2026年7月30日 第5456号
輸送力不足解消策として期待が集まる自動運転トラック。社会ニーズの高まりを受け、2027年以降のレベル4(完全無人)自動運転による商業運行開始がスケジュールに上る。実証段階から実装(ビジネス運行)へとフェーズが移行するなか、各プレイヤーの動きを探る。
輸送力不足に対応、政府は社会実装を促進
深刻なドライバー不足により2030年度には最大25%の輸送力不足が生じる懸念があることを踏まえ、政府は輸送力確保の一環として、高速道路でのレベル4自動運転について、早期の社会実装を図っている。3月に策定した「総合物流施策大綱(2026年度~30年度)」は26年度以降に自動運転トラックのビジネス運行実現と対応するインフラの整備を盛り込んだ。また、1月に策定した「第3次交通政策基本計画」は、30年度に自動運転サービスを提供するバス・タクシー・トラック3分野合計の車両数を1万台とする目標を掲げた。
その実現に向け、国土交通省は幹線輸送実証への支援や、無人走行と有人走行の接続機能を持つ切替拠点の整備を促進している。今年度については予算12億7500万円を活用し、車両の購入費をはじめ、部品費、架装費を補助するとともに、駐車スペースの設備費、バースの造成・舗装費などを補助。加えて、運行システムの開発・構築に要する費用を補助することで早期の社会実装を後押しする。
T2による商用運行が開始、23社が利用
行政の後押しもあり民間企業による実証が進むなかで、先駆けて自動運転による輸送サービスを提供しているのがT2だ。同社はこれまでに約50社の企業と実証を重ねてきたが、昨年7月から関東~関西間で、国内初となるレベル2自動運転トラックによる幹線輸送の商用運行を開始。現在23社にサービスを提供している(2026年7月時点)。当面は連携する荷主や物流事業者を増やすことで商用運行を拡大し、27年10月をメドに車両にドライバーが乗車しない「レベル4」による完全無人運転での幹線輸送ビジネスの展開を計画している。
その実現に向け、運行体制の整備に向けたさらなる実証が進む。今年1月には、物流事業者7社(佐川急便、鈴与、西濃運輸、日本郵便、福山通運、フジトランスポート、三井倉庫ロジスティクス)の協力のもと自動運転トラックによる「関東~関西間の1日1往復」の運行を実証した。高速道路での無人運転と一般道の有人運転を切り替えるための「切替拠点」の利用を想定し、神奈川県厚木市と京都府八幡市の物流施設をこれに見立てて活用。48時間以内に同区間の2往復を達成し、切替拠点でトラックへコンテナを移し替える手順なども確かめた。
この実証を踏まえ、4月には神奈川県綾瀬市に「トランスゲート綾瀬」、兵庫県神戸市に「トランスゲート神戸西」を切替拠点として設置。将来的には京都府八幡市にも切替拠点を開設するほか、三菱地所などが横浜市に開発を進めるスマートIC直結の「次世代基幹物流施設」の活用も検討している。
メーカー各社による開発・実証も加速
自動運転システムの開発を手がけるロボトラックもオリックス自動車、センコー、フジトランスポートと共同で「L4物流自動運転トレーラ推進協議会」を構築し、セミトレーラ型自動運転トラックを活用した中継輸送の商用化に乗り出している。今年2月にはセンコーが運営している中継輸送拠点「TSUNAGU STATION浜松」~「TSUNAGU STATION新富士」間で、自動運転セミトレーラによる初の公道実証を実施。中継輸送を想定したトレーラ交換による効率化も検証した。今後は関東~関西間の高速道路のうち約430㎞の区間でも実証走行の開始を予定している。
大手トラックメーカーによる取り組みも進んでいる。日野自動車と三菱ふそうトラック・バスはかねてより、自動運転トラックを用いた幹線自動運転共同輸送事業を推進してきた。両社は7月から国土交通省の「自動運転トラック実装支援事業」に、両社の経営統合により設立した持ち株会社であるARCHIONとそのグループとして協力。技術共有や共同開発を加速していく。
このほか、豊田通商は先進モビリティ、日本工営、みずほリサーチ&テクノロジーズと共同で、商用車メーカー4社と連携し、新東名高速道路での自動運転トラックの実証走行を新御殿場IC~岡崎SA間で昨年12月まで実施した。実証にはいすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスが参画。さらに、豊田通商はロボトラック、大塚倉庫、西濃運輸、福山通運とコンソーシアムを設立しており、今年2月にセミトレーラ型自動運転トラックの実証走行を静岡~愛知間の高速道路で実施している。
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