カーゴニュース 2026年7月30日 第5456号
関連企業間で連携、車両の受け入れ態勢を整備
自動運転技術の社会実装に向け、関連企業間での連携も進んでいる。昨年5月には東京流通センター(TRC)を中心に自動車開発企業や自動運転システム開発企業などが参画し「平和島自動運転協議会」が発足。TRCの構内を拠点に、自動運転関連技術やサービス開発の促進を図るもので、6月時点で計50社の企業・団体が参画している。協議会内では、実証実験などの活動促進に向け「自動運転走行WG」、「循環型ラストマイル配達WG」、「フィジカルAI荷役WG」、「公共交通WG」を発足。荷役作業の自動化など、自動運転技術の現場活用を前提とした実証実験を展開している。
会員企業のダイナミックマッププラットフォームと連携して、TRCが保有する敷地内全エリアの高精度3次元地図データを整備。屋内部分の走行技術など、レベル4自動運転車両の受け入れと円滑な走行の実現に向けた自動運転の技術向上と周辺技術の開発促進に貢献する。
また、京浜トラックターミナルを運営する日本自動車ターミナル(JMT)は、同ターミナルのDX化の一環として、自動運転トラックの受け入れ検討を進めている。黒沼靖社長は6月に行われた記者会見で、「当社のターミナルは幹線輸送の発着点であり、今後自動運転トラックの受け入れ機能を担うことが想定される」とコメント。T2や国、自治体などと検討を進めている段階にあり、今後は有人トラックへの切替拠点を確保する必要があると説明した。
社会実装と普及拡大、行政と民間企業の連携がカギに
こうした動きがある一方で、自動運転技術の社会実装には依然として課題が山積している。技術面では、安全確保のためのセンサー・カメラの設置や、安定した通信環境を確保するためのアンテナ・検知器機の配置が求められている。また、高速道路本線からの車線変更時など、従来のシステムでは安全制御が困難な場面への対応も重要となる。他方、インフラ面では、自動運転車両の乗り入れが容易な基幹物流拠点の整備が急務となっている。
導入・運用面でも高いハードルが残る。車両が高額であり初期投資の回収が難しいことも自動運転トラックの今後の普及拡大のネックとなっており、車両導入にあたってのサポートや共同運行などを通じた収益モデルの確立も急務だ。国交省では5月、物流事業者や不動産事業者、システム開発企業などを対象とした実装支援事業として、車両導入に1台あたり5000万円(最大2台1億円)の補助を開始した。
商用運行に移行するとしても、事故発生時における責任の所在が明確になっていないことや、システムトラブルの解消に必要な体制の構築など、有事における対応に求められる法整備や保険制度、運用ルールの明確化も課題となっている。完全自動運転による商用運行の実現と普及拡大には、行政と民間企業が手を取り、課題解消に向けたさらなる連携を進める必要がある。
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