カーゴニュース 2026年8月4日 第5457号
ジェイアール東日本物流(本社・東京都墨田区、木村法雄社長)は7月27日、千葉県市川市に開設した新たな拠点「市川ディストリビューションセンター(DC)」の内部をメディアに公開した。四温度帯に対応したセンター内では最新マテハン設備を複数導入することで、倉庫内作業の自動化を推進。エキナカ店舗向け物流の基幹センターとして、10月からの順次稼働を予定している。
同社は、「市川DC」を新設した背景と目的について、既存事業の大部分を占める店舗向け物流の最適化にあると説明。コロナ禍による需要構造の変化を契機に、温度帯別に分散している物流センター機能を統合することで、外部環境の変化に柔軟に対応しつつ、物流コストの最小化を図る。加えて、既存設備の老朽化に対応するほか、幅広い温度帯を備える倉庫の新設により、3PLビジネスの強化にも乗り出す。
「市川DC」は東関東自動車道「高谷JCT」や京葉道路「原木IC」に近く、都心部および首都圏全域を網羅する広域配送拠点となる。延床面積3万3480㎡の4階建てで、このうち4階と1階は冷凍・冷蔵・定温倉庫で構成。4階は変温対応の冷蔵倉庫(5℃~16℃)が3室と冷凍倉庫(マイナス20℃)1室、冷蔵エリア(5℃)を整備し、1階は冷蔵倉庫(5℃)4室、定温倉庫1室(18℃)を整備した。2階と3階は常温倉庫となっている。各階を垂直搬送機や荷物用エレベータ、スパイラルコンベアで接続し、搬送効率を最適化。トラックバースは1階(ドックシェルター)と2階(オープン)に配置し、異なる温度帯の商材を同じ施設内で効率的にピッキングして1台のトラックに混載する計画を採用した。
自動倉庫など最新マテハン機器を多数導入
新センターの最大の特徴が、自動化機器の導入による徹底した省人化・省力化にある。とくに2階~3階では入庫した常温商品の搬送から保管、出庫、ピッキングといった業務を最新マテハン機器やシステムがサポートしている。
3階には複数の自動倉庫を整備した。このうちケース出荷で利用される「パレット自動倉庫」は1770パレットの保管に対応。入庫時には、2階の垂直搬送機からパレットで運ばれてきた商品を直接格納できる。また、重量のある商品などをケースピッキングするアーム型のデパレタイズロボットも導入した。自動倉庫にピッキングステーションを隣接し、出荷の多い商品などを人手でピッキングする際、商品はスタッフのもとまで自動で運ばれ、パレットが空になった際の補充も自動で行われる。また、バラで扱われる食品や酒・飲料、雑貨専用にそれぞれピッキングステーションを整備しており、食品と酒・飲料はフローラック式の自動倉庫を採用。雑貨のピッキングにはGTP(Goods to Person)の概念を導入し、専用のシャトルからスタッフのもとへ自動で商品を搬送する。
3階で出庫したケース品や、バラ積み商品を入れた折りたたみコンテナ(オリコン)は2階へ搬送され、それぞれ専用の順立てシャトルへと格納される。出荷時には、ケース品は店舗別に順立てられて排出され、スタッフがカゴ台車に積載。1時間で4500ケースの払い出しを可能とする。オリコンは自動段積み機によって店舗別に段積みされた状態で排出される。
これらのマテハン設備はWES(ウェアハウス・エグゼキューション・システム)などの倉庫管理システムによって制御され、今後はデータ活用によりさらなる省人化を徹底していく方針。このほか、1階では、冷蔵品を対象としたDAS(デジタルアソートシステム)の導入を2027年5月に予定しており、仕分け作業の効率化を図る。
新センターではこのほか、無人売店を併設予定のカフェテリアやリフレッシュルームなどを整備し、労働環境の快適化にも注力している。BCP面では、重要設備機器である受変電設備や非常用発電設備を屋上に設置。環境面では、屋上に太陽光発電設備を設置して環境負荷低減に寄与し、CASBEE認証「Aランク」を取得済み。併せて、BELS最高ランク「ZEB」認証も取得する予定。
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