K-LINKの活用で「適正化」を推進

カーゴニュース 2025年7月31日 第5360号

ズームアップ
全軽協
「ロードマップ」で安全対策・法令遵守を推進

運行管理支援システムで「適正化」加速

2025/07/30 16:00
全文公開記事 宅配・ラストワンマイル 安全・BCP

 軽貨物運送業の業界団体である全国軽貨物協会(全軽協、西田健太代表理事)は「軽貨物運送業界の安全確保」「取引環境の適正化」「社会課題への対応」を主軸に置き、荷主、行政、関係機関・団体などと連携しながら、軽貨物運送業のさらなる発展に向けた活動を推進している。最重要課題として「安全対策」「取引環境の適正化」「社会課題の解決」の3項目を軽貨物運送業の「適正化」の要点に定め、ロードマップに基づき種々の取り組みを推進していく。その一環として、今年1月に正式リリースした運行管理支援システム「K―LINK」が好評だ。4月には荷主・元請の物流担当者が事業者の法令遵守状況を共有できる機能も追加され、より一層利便性の高いツールとなった。全軽協は「K―LINK」の普及拡大を通して物流業界の「適正化」実現に貢献していく。

 

EC需要増に伴い安全対策が急務に

働きやすい軽貨物運送業へ

 近年、EC市場の拡大などにより宅配便取扱個数は増加傾向にあり、宅配便の輸送手段として貨物軽自動車による輸送需要が大幅に拡大した。一方で事業用貨物軽自動車による交通事故が増加し、とくに2016年から22年にかけて死亡・重傷事故件数は約5割増加するなど安全確保が喫緊の課題となった。この事態を受け、全軽協は行政や関係団体とも連携し、業界全体の安全対策の推進に注力。併せて、取引環境の適正化や、カーボンニュートラルの実現など社会課題の解決を図ることとした。

 

 23年に国土交通省は業界団体や大手キャリア、プラットフォーマー、学術機関など多様なステークホルダーで構成する「貨物軽自動車運送事業適正化協議会」を設置し、全軽協は中心的メンバーとして参画。同協議会は安全対策の強化を目的とした法改正を24年5月に実施し、本年25年4月より施行した。時を同じくして23年11月全軽協は安全対策を含む業界課題の明確化と解決に向けた計画の策定のため「貨物軽自動車運送事業適正化推進会議」を発足した。メンバーには協議会の参加メンバーに加え全軽協の呼びかけにより他の関係業界団体も参画した。同会議では25年3月に貨物軽自動車運送事業適正化推進ロードマップ1・0」を策定・公表した。

 

安全を第一に業界の健全な発展を目指す

 

 国は昨年4月に施行された改善基準告示によりドライバーの労働時間規制などコンプライアンス関連の制度を改め、今年4月には改正貨物自動車運送事業法に基づき、軽貨物運送業の安全制度を改正した。それにより軽貨物の安全対策の水準が大きく引き上げられた。

 

 全軽協で代表理事を務める西田健太氏は「新たな法令・コンプライアンスに対応し、遵守することが業界の健全な発展につながる。当協会は安全対策の推進・取引環境の適正化・社会課題への対応という3つの重要課題に対応することで、適正化を図っていく」と述べ、今後の施策として「業界横断的なDX推進を図るとともに、業界の多重請負構造の是正など具体的な取り組みを体系化し、計画的に推進していく」と方向性を示す。全軽協ではこれまでも「セルフ点呼」やドライブレコーダー導入推進、過積載防止対策、荷主・元請による違反原因行為に関する情報提供、先進的安全車両の導入促進など様々な安全対策を講じてきたが、法令改正を受け、国土交通省とも連携しながら、軽貨物運送事業者に向け、法令改正やそれに伴う新制度について周知・啓発を推進していく。

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