カーゴニュース 2025年11月27日 第5391号
物流不動産市場を読む!
トレンド⑨
日系デベロッパーが海外で開発強化
今後の貿易需要の増加が見込まれる東南アジアなどを対象に、日系デベロッパーによる海外での開発強化が進んでいる。国内物流不動産市場の成熟が進む中で、新たな成長機会を海外に求める戦略がうかがえる。
阪急阪神不動産は7月、CREと共同で、ベトナム北部において物流施設5棟の新設に着手した。同社はアジア圏以外にも、昨年9月にオーストラリア4都市での物流不動産の賃貸・開発事業に参画したほか、今年10月にはカリフォルニア州ロサンゼルスでの物流施設の開発を発表し、26年の竣工を予定している。
安田不動産は7月、ESRグループが推進するシンガポールでの大型物流施設の開発計画に参画すると発表した。同社として初の海外での物流施設開発計画となり、東南アジアの物流ハブとして機能するシンガポールでの事業機会創出を図るとともに、海外不動産に関する知見の拡充を目指す。
大和ハウスは3月、ベトナム北部に同社として現地初のマルチテナント型施設を竣工したほか、10月にはマレーシアにもマルチテナント型施設を竣工している、同社は米国での開発にも目を向けており、9月にはテキサス州に、大和ハウスとして米国初となる大規模物流施設開発プロジェクトを、現地デベロッパーと共同で竣工した。
トレンド⑩
「嫌われ者」脱却へ、地域共生の取り組み進む
かつての物流施設は「大型トラックが出入りして危険」というイメージにより、地域住民から敬遠されがちだった。しかし近年は共用区画の整備による施設・敷地の開放やイベントなどを通じ、近隣住民とテナント企業の交流の場として提供するほか、地域の防災拠点としての活用など、イメージ向上と地域貢献による共生の道を示している。
代表的な例が、日本GLPの大規模物流施設「ALFALINK」シリーズだ。施設内のレストランやコンビニ、マルチコートなどを一般開放する取り組みに加え、「スプリングフェスタ」などのイベントも定期開催し、地域交流の活性化に努めている。
三井不動産と日鉄興和不動産が開発した「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」は「街づくり型物流施設」の開発を掲げており、一般利用できる広場の整備や地域の防災拠点としての活用、交流イベントの開催などを進めている。昨今、データセンター建設への住民反対運動なども見られるようになり、物流施設の開発にあたっても、物流施設の果たす社会的意義など、地域住民の理解促進が不可欠となっている。
購読残数: / 本
恐れ入りますが、ログインをした後に再度印刷をしてください。