カーゴニュース 2026年3月26日 第5422号

インタビュー
安全の再確立に向けた取り組みを強化していく
JR貨物労組 中央執行委員長
村上貴史 氏

2026/03/26 06:00
全文公開記事 貨物鉄道・通運 人材・働き方・賃金 インタビュー

貨物鉄道は全国ネットワークによって存在意義を発揮

 

 ――最後に、JR貨物を取り巻く存立基盤についての組合としての向き合い方を教えてください。

 

 村上 北海道新幹線の札幌延伸は38年度以降に延期にはなったものの、それに伴う並行在来線、いわゆる「海線」の存廃を決めるタイミングは、有識者検討会議の最終報告が出される今年3月末だと私は考えています。振り返れば、検討会議の中間とりまとめが出た段階では、貨物鉄道輸送の必要性こそ確認されたものの、並行在来線の保有主体や維持・管理についての具体的なあり方は明らかになっておらず、この議論の行方を注視していきたいと思います。私は海線を残す以上は、国がしっかりと責任を果たすべきだと考えています。

 

 また、線路使用料の改定時期が27年3月末に迎えるほか、並行在来線の維持に関する貨物調整金についても30年度末に見直し期限を迎えます。とくに貨物調整金については多少の時間的余裕はあるものの、これら諸制度は貨物鉄道のスキームに関わることであり、個別に対応するのではなく一体として見ていく必要があります。

 

 さらに、昨年11月に財務省の財政制度審議会がJR貨物の抜本的な経営改革について言及されたことが気になっています。40年近く公的支援を続けてきているのに何をやっているのだという趣旨だと理解しており、できるだけ早期に経営基盤を盤石化し、経営自立できる体制を構築しなければならないという指摘はその通りだと思います。とはいえ、JR貨物の現状を踏まえると、国鉄時代から承継してきた様々なインフラが経年化・老朽化しており、更新だけでも相当な経営体力を必要とします。こうした部分に対しては、国として必要な措置を講じるべきであり、無利子貸付をはじめとする必要な支援を継続してほしいと考えています。

 

 ――JR連合からは、収益率が高い主要幹線に事業を集中すべきとの意見が出されています。

 

 村上 いわゆる「特化論」ですが、私は儲かる区間だけに貨物鉄道サービスを絞るという考え方は非常に危険な議論だと思っています。労働組合の立場から見ると、路線廃止は即、組合員の働く場所がなくなる雇用問題に直結します。また、JR貨物は全国ネットワークを維持しなければ存在価値が発揮できないとも考えています。北は北海道から南は鹿児島県まで、仮に量は少なくても、一本のレールでつながっていることのスケールメリットは重要です。生活に必要な物資を北から南まで定時輸送することを続けていく――それが国鉄改革時にJR貨物に課された役割だったはずであり、JR貨物が現中計で掲げている「なくてはならない存在」に進化していくための必要条件です。貨物が載らないからやめるではなく、どうしたら増やすことができるかという発想こそが大事です。こうした諸課題については、JR総連をはじめとする様々な関係者と連携しながら、必要があれば要請活動も行っていきたいと考えています。

1 2 3 4
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
  • バックナンバー

日付で探す

* 毎週火曜日・木曜日発行。(祝日は休刊)

第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ プロテクティブスニーカー協会 A-TRUCK yss 関西物流展 国土交通省 白ナンバーに有償で運送委託していませんか? 富士物流のホームページにニュースを提供中!! 日通NECロジスティクス提供 物流用語集