カーゴニュース 2026年9月24日 第5469号
東京通関業会(中村剛喜会長)のアンケートによると、関税・消費税等の立替払いを行っているとの回答は全体の約9割にのぼり、荷主からの要請により行っているとの回答が8割超だった。公正取引委員会により、立替払いが独占禁止法上問題となるおそれのある行為であり、取適法(中小受託取引適正化法)に抵触するおそれがあるとの見解が示されて以降も、依然として立替払いの解消が進んでいない実態が浮き彫りとなっている。通関業務料金の価格転嫁(値上げ)についても、約半数が取り組めていないこともわかった。
立替払い、「荷主からの要請」が8割超
アンケートは2026年7月2日から8月10日にかけて、東京通関業会の加盟店社276者(本社・営業所)を対象に実施。回答率は41・3%だった。
関税・消費税等の立替払いの実施状況を尋ねたところ、「立替払いをしている」が89・5%。「立替払いはしていない(関税を前受している)」が7・9%あったが、「立替払いはしていない(通関を断っている)」との回答は0%だった。全輸入申告件数に占める立替払いの割合は、「3割未満」が61・8%と最多の回答だった。
立替払いを行っている理由(複数回答)の最多は、「荷主からの立替払いの要請」で86・3%。次いで、「他社も行っているため」と「貨物の早期引き取りのためのサービスの一環」が同率の21・6%だった。昨年と比べて立替払いが減少したかを尋ねたところ、「減少した」が56・1%だった一方、「変わらない」も34・2%あった。
立替払いについて何らかの対応をしているとの回答は82・5%。具体的な実施内容(複数回答)は、「リアルタイム方式・延納等の紹介」(90・4%)が最も多く、「関税等の前受の依頼」(56・4%)、「立替払いの依頼をしないように依頼」(35・1%)が続く。また、「手数料の徴収」も7・4%あった。
自由意見では、「通関業者が立替払いできないような仕組みづくり(通関業者口座の利用不可等)が必要」、「古くからの商習慣が残っており業界全体での立替払いの解消を望む」、「金利上昇が見込まれ費用負担がさらに大きくなっている」、「立替払いの場合に立替期間を制限し、立替金額の制限を設けるべき」といった意見が寄せられた。
6割が値上げによる契約解除を懸念
「総合物流施策大綱」(26~30年度)に、労務費等のコストを通関業務料金へ適切に転嫁していくことの必要性が盛り込まれたことを「知っている」と答えたのは64・0%と6割にとどまった。17年の通関料金上限撤廃後に荷主に価格転嫁(通関料の値上げ)を求めたか尋ねたところ、「求めた」「求めていない」はいずれも50・0%だった。
価格転嫁を求めた先の荷主のうち、価格転嫁に応じた荷主の割合は、「2~5割」との回答が33・3%で最も多かった。価格転嫁ができなかった理由(複数回答)では、「価格交渉の結果、値上げ理由に理解を得られなかった」(64・3%)がトップ。「価格交渉のテーブルについてもらえなかった」も10・7%と1割あった。
価格転嫁を求めなかった理由(複数回答)を尋ねたところ、「値上げを求めると契約を切られるおそれがある」が58・9%と約6割にのぼった。「値上げの必要がない」との回答も11・1%と約1割あった。その他では、「他社と比較される」、「他社の動向を様子見」「営業判断」などの回答が見られた。
価格転嫁に関する自由意見では、「手間や時間がかかる案件(工数、貨物確認等)の価格を上げる等、案件ごとに料金設定していくべき」、「昨今の人件費高騰、EPA(経済連携協定)多様化・複雑化などを勘案し、労力に見合った適正性を求めたい」、「申告書類作成以外の付随する業務についても適正料金をいただきたい」といった意見があった。
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