CLOへの関心が高まる(CLOカンファレンスの様子)

カーゴニュース 2025年9月30日 第5374号

行政レポート
「CLO」で知りたいアレコレ

4月から選任義務化、荷主の対応は?

2025/09/29 16:00
全文公開記事 荷主・物流子会社 行政 2024年問題

 いよいよ来年4月1日から全面施行が始まる物流改正法(改正物効法・改正貨物自動車運送事業法)。このうち、荷主と物流事業者への規制を行う改正物効法は、事業規模の大きな荷主・連鎖化事業者(フランチャイズチェーン本部)、物流事業者については「特定事業者」に指定し、一般企業とは別に物流改善の義務を課すことが決まった。とくに事業規模の大きな「特定荷主」には「物流統括管理者(CLO)」の選任を義務付けた。CLOが取り組む業務は多岐にわたり、物流改善にCLOが果たす役割の大きさがうかがえる。CLOに関する種々のテーマを項目別にまとめた。

 

テーマ①

「CLO」の選任要件

 

●物流統括管理者は役員レベルを選任するのが基本

 

 物流統括管理者には企業のロジスティクスの司令塔の役割を果たす「Chief Logistics Officer=チーフロジスティクスオフィサー」として経営管理の視点から物流に関わることが期待されている。法令では事業運営の重要な決定に参画する管理的地位にある役員等の経営幹部から選任することが規定されている。

 

 具体的には、当該企業の取締役や執行役員から選任することが基本。ただ、社内の取締役や執行役員などに適任者がおらず、物流部門の責任者である物流部長などが、必要に応じて社内の製造・営業・システムなど各部門に対して調整業務を行える立場にある場合は、例外的に取締役や執行役員でなくともCLO選任を認めることを検討中。なお、特定第一種荷主(発荷主等)、特定第二種荷主(着荷主等)、特定連鎖化事業者のうち複数の指定を受けた場合、選任は同一の1人だけとし、複数選任は認めない。

 施行初年度の26年度のみは物流改善の「中長期計画」の提出期限を10月末としている。中長期計画はCLOが作成して届出を行うとしているため、26年度に限っては、手続き上はCLOの選任を計画提出直前の10月まで先送りすることもできそうだ。だが、法令上は特定荷主に指定された企業は速やかにCLOを選任し、届出を行うよう規定されている。

 

●物流子会社の社長はCLOになれない

 

 特定荷主となったメーカーが物流子会社に全ての物流機能を移管している場合、当該企業内にはCLOの適任者がいないことになる。CLOは当該企業から選任されるため、グループであっても物流子会社の社長は親会社のCLOにはなれない。ただ、物流子会社の社長が親会社の役員等として籍を置いていればCLOに選任することが認められる。ホールディングス体制をとっている企業であっても、CLOは特定荷主となった事業者から選任され、ホールディングスやグループ企業から選ぶことは認めない。あくまでもCLOは当該企業に籍を置く役員レベルの担当者から選任されるものとしている。

1 2 3 4
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
第一倉庫株式会社 日本通運 uprのピーアール。 鉄道貨物協会 第一工業株式会社 アライプロバンス ジェイエスキューブ プロテクティブスニーカー協会 建荷協 富士物流のホームページにニュースを提供中!! 第1回九州次世代物流展 日通NECロジスティクス提供 物流用語集