カーゴニュース 2025年9月30日 第5374号
テーマ③
CLOに必要な能力
●社内の「調整力」や「外交力」が必須
CLOは実効性のある物流改善をやり遂げるため、社内の関係部署と社外の関係者との連携が重要となる。その点を踏まえ、荷主所管官庁が重視するのは「調整力」と「外交力」だ。社内の他部署と情報を共有し、横串を通し、改善の具体化に向けて調整する能力が必要。併せて、物流効率化に適した商品包装・サイズ(デザイン・フォー・ロジスティクス)の推進やリードタイムの緩和など、商品生産部門や営業部門と連携する調整力も欠かせない。
また、社外との連携を推進する力も重要だ。輸送力不足に対応し、同業種・異業種間での共同物流の重要性がますます増大する中、物流に関しては協調領域として、連携先を探し、共同物流を実現する能力が求められる。
●役員に物流の知見が不足している場合は?
物流業務を3PL会社などに委託しており、企業内部にはCLOの適任者がいない場合はどうすべきか。そうした場合、法令が定めるCLOには当該企業の役員を選任し、その役員をサポートする物流専門家を配置する手法が想定される。CLOが積極的に物流改善に取り組むため、物流専門家の知見を活用することは不都合なく認められる。なお、特定荷主の社長やCEOがCLOを兼任することも問題ない。関係省庁では知識やネットワーク構築を図る際には、フィジカルインターネットセンター(JPIC)が主催する「CLOカンファレンス」「CLO協議会」への参画や、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が荷主企業向けに開催する講座などの活用を推奨している。
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