カーゴニュース 2025年10月16日 第5379号
物流からの提案でサプライチェーン全体を整流化
――物流会社とのパートナーシップの方針をお聞かせください。
村田 従来、各部門で物流を担当するスタッフは“手配”が中心で、その先は物流会社に「お任せ」にしていた面があります。それだけ強い信頼関係が確立されていたわけですが、一方でコストを含めた詳細な運用状況について当社が把握しきれていなかったことも事実です。物流会社との取引の範囲を広げ、“外の世界”を知るように努めています。
たとえば、各部門は「物流はスバルロジスティクスに任せておけば安心」と長年の信頼関係故に、任せきりになっていた面もあります。スバルロジスティクスは、親会社の方針に沿って物流業務を遂行してきましたが、コストが高いのか、安いのかといった費用の妥当性や、業界水準との比較にも目を向け主体的に競争意識を持つことがこれからは必要だと思っています。スバルロジスティクスの実務部門には、同じ仕事を回すにも、QCD(Quality=品質、Cost=コスト、Deliver=納期)の改善を意識し、より最適な物流を目指してほしいと伝えています。
足元では今までお付き合いがなかった物流会社にも取引を広げ、当社として勉強しています。一方で、長年取引してきた物流会社からも、「もっとこうしたらよいのではないか」「ここを変えてみたらどうか」というご提案をいただきたいと思います。併せて、「言い出しにくい困りごと」についても積極的に耳を傾け、コミュニケーションを図りながら解決につなげていきます。
――最後に、目指していく物流のあり方についてお聞かせください。
村田 物流は当社の各事業を支える重要な部門です。全体最適を見据え、物流からの提案によって従来からのやり方を変え、サプライチェーン全体の流れが整流化され、結果的にコストが下がる形にしていきたい、そしてそのことをしっかり社外にもアピールしていきたいと思います。これまで物流は「トラブルがなくて当たり前」とされてきました。トラブルなく、日々の物流を動かしていることは、もちろんそれだけでも十分評価されるべきですが、「ここをこう変えることで、こんな風に会社に貢献した」――ということが正当に評価されるようにしていきたいです。
むらた・しんいち 1967年9月25日生まれ。90年3月早稲田大学政治経済学部を卒業後、同年4月富士重工業(現SUBARU)入社。執行役員渉外部長、執行役員リスクマネジメント・コンプライアンス室長を経て25年4月から現職。総務部長と東京事業所長も兼務する
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