カーゴニュース 2026年5月28日 第5438号
「相互立会い」徹底でコンタミ防止を
――タンクトラック・高圧ガス部会では、以前から「相互立会い」推進キャンペーンを展開していますね。
堀田 まず、タンクローリーの荷降ろし時の「相互立会い」は、消防法第13条に基づく事故防止の必須義務です。危険物取扱者であるタンクローリーのドライバーとサービスステーション(SS、給油所)の従業員が、油種・タンク容量の確認を相互に行い、コンタミ(混油)や流出事故を防ぐために行います。具体的な手順や注意事項は、石油連盟や経済産業省が安全マニュアルを策定しています。
今年に入り、岐阜県や宮崎県のSSで灯油タンクに誤ってガソリンが混入する事故が発生しました。岐阜県での事故は石油ファンヒーターの異常燃焼による出火で住宅が全焼しました。その原因はタンクローリーからの荷降ろし時の誤操作で地下の灯油タンクへガソリンが混入してしまったことです。本来は無色透明であるはずの灯油は、ガソリンが混入することで若干黄色味を帯びてしまいます。灯油を購入した人はポリタンクに入れて持ち帰りますから、外側からは気づくことができません。「相互立会い」を徹底し、タンクローリーによる荷卸し時の油種間違いによるコンタミを防ぐことは、人命にも関わる非常に重要なテーマです。
部会では、石油元売業界団体である石油連盟、石油販売事業者団体である全国石油商業組合連合会(全石連)と連携し、「危険物荷卸し時相互立会い推進全国一斉キャンペーン」を継続して実施しています。「相互立会い」は法令による必須事項であることを、全石連の加盟組合に対し周知し、石油連盟、全石連、全ト協の3者共同でパンフレットを作成し、啓発を行っています。徐々にではありますが、浸透してきたと感じています。
一方で、残念なことですが「相互立会い」なしでの荷降ろしはゼロにはなっていません。納品先のSSの担当者が接客中である場合や、得意先の担当者が立ち会う時間が取れないため、単独での荷降ろしを依頼されるケースがあります。ドライバーの立場からすれば「相互立会い」ができないから荷降ろしをしない――というわけにはいきません。
納品頻度の多いSSでは、ローリーのドライバーも現場に慣れているので、荷降ろし時にタンクを間違えることはほとんどないでしょう。しかし、慣れていない現場では、間違ったタンクのバルブにホースをつないでしまい、コンタミが起きてしまう可能性が高いといえます。たとえば、運送事業者のインタンクは納品頻度がSSに比べて少なく、最も「相互立会い」が不可欠な現場と言えるでしょう。
ところが、そうした現場でも人手不足で対応ができないこともあります。この問題は、我々運送事業者だけでは解決できず、石油連盟、全石連、全ト協の3者に加え、行政も連携して取り組んでいく必要があります。
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