カーゴニュース 2026年6月4日 第5440号

CLOに訊く Vol.3
他社との連携進め、
持続可能な物流実現へ
サミット
執行役員物流部担当物流統括責任者
武田哲志氏

ノウハウ獲得や効率化で納品体制を強化

2026/06/03 17:00
全文公開記事 FOCUS 荷主・物流子会社 インタビュー

コスト透明化へ契約形態変更

積載率向上で8割維持

 

 ――具体的にはどのような物流課題が見つかり、どのように対応しているのでしょうか。

 

 武田 先程もお話したように、物流センターの運営は業務委託先が行っているのですが、物流効率化など効果的な運営に向けて、これまで当社の目線で見た提案や話し合いが十分に行われてこなかったという問題がありました。そうした背景から、従来は委託先に支払っている代金――物流にかかっていたコストの料率を、当社が詳細を把握しきれておらず、課題を見つけにくいという状態でした。

 

 そこで、委託先からの提案を受けて契約形態を見直し、オープンブック方式に切り替えました。コストの内訳を透明化することで、委託先の負荷を把握しやすくなりました。また、委託先にとってもどの部分の単価を上げてほしいのか当社に明確に提示・説明できるようになりました。さらに、可視化された情報をもとに、物流部が社内に対してきちんとコストに関する説明ができるというメリットも生まれています。

 

 併せて、拠点運営に関してもこれまで以上に積極的に関わる方針に切り替え、22年10月に「新砂物流センター」を開設した際には、委託先との連携を強化し、積載効率向上や拠点内作業の効率化に取り組みました。その結果、同センターから配送する車両の積載率を85%に引き上げ、現在も維持しています。店舗の数は増やしつつも、配送車両の台数は維持するという理想的な体制を構築できました。これにより、委託先と良好な関係を築けるようになったほか、配送会社に対しては、運賃への転嫁にもつなげています。現在はこうした取り組みを、グロサリー専用のセンターでも展開できるよう検討を進めている段階です。

生鮮品専門の「新砂物流センター」

 また、メーカーの物流業務の負荷解消に向けては、それまで発注から翌日納品が基本だった日配チルド品を対象に、昨年11月からリードタイムを2日に延長するなど、商習慣の見直しも進めています。これにより、メーカーは物流の平準化につなげることができました。取り組みを開始したことで店舗側に負担がかかることがないよう、開始から3ヵ月ほど効果や影響を確認する期間を設け、影響がないことを確認したうえで本格的に実施しています。

 

 ――物流業界の大きな課題であるトラックの荷待ち削減ではどのような取り組みを進めているのでしょうか。

 

 武田 物流センター、とくにグロサリー専用のセンターでは22年頃まで待機時間が非常に長いセンターもあり、速やかに解決しなければならない問題でした。そこで各センターに日本加工食品卸協会(日食協)が提供しているトラック入荷・予約受付システム「N-Torus」を導入しました。利用にあたって、当社が参画している「SM物流研究会」に同じく参画している企業からノウハウを共有してもらうとともに、センター運営の委託先にシステムを運用する専任のスタッフを用意してもらうことで管理体制を整えました。

 

 その結果、研究会としての結果では荷待ち・荷役作業等時間が2時間を超える割合を、直近で1・1%まで削減することができました。当社としても1000台近い納品車両の荷待ち・荷役作業等の時間を1ケタ、2ケタ台までの削減につなげています。当然、目指すべきところは0%ではあるのですが、様々な理由からパレタイズが難しく、バラ積みをせざるをえないメーカーもいるため、今後どのようにして改善していくかが目下の課題となっています。

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