カーゴニュース 2025年9月30日 第5374号

インタビュー
「3・5PL」の事業モデルをさらに追求していく
NTTロジスコ 代表取締役社長 中江康二 氏

医療機器やエンタメグッズ分野でPF化が加速

2025/09/30 07:00
全文公開記事 荷主・物流子会社 インタビュー

AI活用で物流現場の自動化も推進

 

 ――NTTのレンタル通信機器のリファビッシュ業務(クリーニング、動作試験、再生品のセット化作業など)では、AIなど活用した自動化が進んでいます。

 

 中江 この分野では、回収したレンタル通信機器の洗浄やケーブルの巻き取り・結束をロボットで自動化したほか、機器本体と電源アダプターのセット化作業についてもAI画像認識技術を用いた検品システムを導入しており、自動化の領域が順次広がっています。また、一連の工程の中でほぼ唯一、目視や手作業で行っていた回収品をメーカーごとに仕分ける作業についても、10月から埼玉の物流センターでAI画像認識とAGVを活用した自動化がスタートします。これによりほぼ全工程での自動化が実現することになります。

 

 リファビッシュ業務は、現時点では主にNTTグループを中心に提供しているサービスですが、今後は一般向けにも展開していくことで、医療機器やエンタメグッズと同様、シェアリングモデルによるプラットフォーム化を進めていきたいと考えています。

通信機器ケーブルの巻き取り・結束ロボット
通信機器の洗浄ロボット

 ――新技術を積極的に導入し、現場運営の改善につなげるサイクルを確立しているところがNTTロジスコの強みですね。

 

 中江 NTTグループのDNAとして、ITや新技術にアレルギーがないことは当社の特長のひとつです。例えば、最近普及が進んでいるノーコードアプリを使って、社員が自発的に簡易なWMS(倉庫管理システム)を開発し、小規模な受託案件に活用するという事例も出てきました。また、現場で広く導入しているKURANDO社の「ロジメーター」を使って受託案件ごとに日々収支管理を行う取り組みも広がるなど、草の根的に業務改善活動が広がっていることは、社長として頼もしく感じています。

 

3年以内に外販比率を7割に高める

 

 ――今後のビジョンや進むべき方向について教えてください。

 

 中江 当社が目指すべき道は、NTTの物流子会社ではなく、「NTTという冠を持った物流会社」「NTTの技術力で物流を変えていく会社」として一般市場での存在感をさらに高めていくことです。そのためには、「3・5PL」という事業モデルをさらに追求・徹底していくことで、新規顧客の獲得を増やしていくことが肝要です。現状は非常に良い流れで進んでいますので、3年以内に売上高を100億円上積みするとともに、外販比率を7割まで高めていきたいと考えています。そうなれば、財務基盤が安定化し、経営の選択肢がさらに広がっていくものと思っています。

 

 

中江 康二(なかえ・こうじ) 1987年東大法卒、同年日本電信電話(現NTT)入社。東日本電信電話(現NTT東日本)財務部長、総務人事部長、取締役東京事業部事業部長、NTT東日本・南関東社長を経て、2021年6月から現職。1963年12月10日生まれ、福岡県出身

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