カーゴニュース 2026年3月3日 第5415号
外国人ドライバーを増やす以外に道はない
――外国人ドライバーの育成・採用を強化し、中長期で1800人規模の採用を見込んでいます。
鎌田 外国人ドライバーの採用には2つのパターンがあります。ひとつは他の仕事や留学などですでに日本に在住している外国人を技能実習生として採用するパターンです。すでにそういった人材を数名規模で採用していますが、そもそも絶対数が少ないために大量採用にはつながりません。
そうなると海外にいる人材を日本に連れてくるしかありませんが、「外免切り替え」の試験が厳格化されたこともあって、自国の運転免許を持っている外国人がいきなり合格する率は2~3%と低く、これも事実上不可能です。日本に呼び寄せて教育することも可能ですが、1人当たりのコストが年間200万以上もかかるうえに、それだけコストをかけても合格しない場合があります。
そこで色々と考えた結果、もっとも効率的でコストがかからないのは、海外に日本の試験場と同じ施設をつくってそこで教育していく以外にないという結論に至りました。それでもコストは年間120万円前後かかりますが、この道でいくしかありません。現在、インドネシアで土地の選定を進めており、3年前後で立ち上げる計画です。
――グループ内に自動車学校を持っているノウハウが活きますね。
鎌田 インドネシア人の指導教官をSBS自動車学校で研修してもらい、インドネシア現地で日本と同水準の教育を提供してもらうプログラムを考えています。ドライバーという職種である以上、安全をないがしろにはできませんので、一定の時間がかかることはやむを得ません。
日本国内の労働人口が減っている中では、仮に賃金を100万円引き上げても日本人ドライバーが劇的に増えることは考えにくいと思います。しかし、ドライバー数を増やさなければSBSグループの成長はありませんので、多少コストがかかろうとも外国人ドライバーを増やしていく以外に道はないと思っています。
トラックの適正原価制度はまだ不透明
――トラック適正化二法が昨年成立し、約2年後には「適正原価制度」がスタートします。これによって運賃水準が大幅に上昇する期待が高まっています。
鎌田 適正原価制度によって、例えば東京~大阪間を走る10t車の運賃が現行の8万5000円~9万円から12~13万円に引き上げられる――これは良く分かりますし、ありがたい話です。しかし、我々が請け負っているスーパーやドラッグストアの物流業務の多くは料率で運賃が決まる商習慣になっています。センターの通過額の何%という形で運賃が決まる仕組みであり、そこに適正原価制度を適用できるかは、はなはだ疑問です。また、メーカーであれば価格転嫁によって運賃上昇を吸収できる余地がありますが、個人消費者を相手に商売をしている小売など川下系企業では価格転嫁にも限界があります。仮にこの分野で大幅に運賃が上がるようになれば、卸や小売は自分たちで運送をやるという流れになりかねません。
――卸や小売が自家用の白ナンバーで自社の荷物を運ぶことに徹するということですね。
鎌田 白ナンバーであれば適正原価制度の規制がかかるのか、かからないのか――。そのあたりの制度の詳細がまだ不明で、いまのところ誰に聞いても明確な答えが返ってこない状況です。
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