カーゴニュース 2026年3月5日 第5416号

インタビュー
国内で生み出したキャッシュを海外成長投資へ
NIPPON EXPRESSホールディングス
専務執行役員CFO 経営戦略本部長
大槻秀史 氏

資本効率経営で企業価値向上を加速

2026/03/04 17:00
全文公開記事 総合物流・3PL 経営計画・戦略 インタビュー

低収益不動産売却、5年間で1500億円規模に

 

 ――25年2月に見直した具体的な内容とその実施状況について教えてください。

 

 大槻 BSマネジメントの強化、 資本政策の見直し、事業ポートフォリオマネジメントの推進強化などをよりスピード感をもって取り組む内容に改めています。

 

 具体的な取り組みとして、まず大きなものは低収益不動産の売却によるアセットの入れ替えです。見直しを行った時点では28年度までに500億円以上の売却を行い、そこで得られたキャッシュを高収益事業に振り向ける計画でしたが、昨年12月に日本通運が保有するグループ最大の物流拠点「Tokyo C―NX」(東京都江東区)を1000億円以上で売却し、取り組みをさらに加速させました 。これにより、計画についても従来の500億円以上から1500億円以上に引き上げました。26年度にも200億円規模の売却を計画しており、経営計画最終年度の28年度までの残り3年間では300億円規模の売却を見込んでいます。

 

 また、事業ポートフォリオマネジメントの推進強化では、成長事業へのシフトと低収益やノンコア事業の整理を進めています。具体的には、昨年12月に別荘地管理事業を行っているNX不動産、今年1月には関西エリアを中心に不動産事業を行っている大阪倉庫の株式譲渡を決め、コア事業への集中とベストオーナーの観点から国内事業の再編整理を行っています。ちなみに、事業ポートフォリオマネジメントという言葉を使い始めたのは現経営計画がスタートした24年度からですが、それ以前からグループ内にあった旅行事業の清算や自動車学校の売却、リース事業の非連結子会社化、さらには警備輸送事業、重機建設事業の分社化などを実施しています。こうした以前からの取り組みを体系的に整理するとともに、取り組みを加速・強化するイメージで取り組んでいます。

ノンコア事業の整理で事業ポートフォリオの組み換えを加速

 さらに、政策保有株式の縮減として、従来の300億円に加えて退職給付信託株式の売却で400億円を追加しました。M&Aについては、経営計画スタート時に計画していた2000億円はすでにオーストリアのcargo-partner社とドイツのSimon Hegele社のM&Aでほぼ使い切ったため、見直しを行った時点で新たに2000億円を追加して4000億円に引き上げ、今回さらに「Tokyo C―NX」の売却などで得られたキャッシュを振り向けることで4500億円まで積み上げることとしました。

24年にグループ化したcargo-partner社

 ――たしかに従来とは異次元なレベルでの取り組みが進んでいます。

 

 大槻 これに加えて、資本構成の最適化と適切な財務レバレッジの活用も進めています。従来から公表していた自己資本比率35%程度を維持することに加え、1株当たりの年間配当金を最低でも100円とする下限配当を導入しました。また、従来計画していた経営計画5年間での自己株式600億円の取得に加えて500億円~1000億円を追加し、公表と同時に500億円の自己株式取得に着手しました。財務レバレッジの活用でも、M&A資金を追加したことに伴い、有利子負債の調達を2000億円程度追加し、経営計画期間中の総額を3000~3500億円まで引き上げています。いずれも当社において過去にないレベルでの取り組みとなっていると思います。

異次元の取り組みで企業価値向上へ
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