カーゴニュース 2026年3月5日 第5416号
国内で生み出したキャッシュで海外M&Aを加速
――M&A戦略についてお聞きします。国内で生み出したキャッシュを海外での成長投資に充てるという大きな方針の中核を占めるのがM&Aです。現経営計画における総額4500億円の資金枠のうち、すでに使った2000億円を差し引いた2500億円が残っているという理解でよろしいでしょうか。
大槻 まずM&A戦略の位置づけですが、長期ビジョンで掲げた目標や現経営計画の数値目標である売上収益3兆円、うち海外売上高40%を実現するためにも、海外におけるM&Aは必須であり、引き続き積極的に検討していきます。
資金枠についてはその通りですが、金額ありきで考えているわけではありません。有利子負債の調達余力はまだありますし、低収益不動産の売却で生み出したキャッシュをさらに振り向ける計画もあるので、仮にその額を上回る規模のM&Aでも対応は十分に可能です。
M&Aのターゲットはグローバルでの成長につながるものとしており、具体的には「海外での非日系企業など新たな顧客基盤の獲得に資するもの」「航空、海運フォワーディング事業のボリューム拡大と仕入交渉力の強化に資するもの」「5つの重点産業(テクノロジー、モビリティ、ライフスタイル、ヘルスケア、半導体)における機能強化と売上高の拡大に資するもの」――の3点で検討していきます。また、エリアについては直近の2つのM&Aが欧州リージョンで続いたこともあり、基本的には欧州以外を想定しています。例えば、4つの海外リージョンの中で最も売上規模が小さくなった米州については、その市場規模から鑑みてまだまだ成長余力が高いと考えています。
NXグループのグローバル事業は、日系企業の海外進出に伴走するかたちで成長してきましたが、今後さらに成長を加速させるためには、非日系顧客など新たな顧客基盤を獲得することが不可欠となります。ただ、オーガニックだけで非日系企業からの受託を大きく増やすことは難しく、海外物流会社をM&Aによってグループ化し、その会社が抱えている顧客層を獲得することが非日系顧客の拡大に直結するわけです。
――これまで実行してきたM&Aについて、一部から必ずしもうまくいっていないとの指摘もあるようですが。
大槻 過去に実施したM&Aで減損処理を打っていることもあり、そのような指摘があることについては真摯に受け止めています。ただ、オーガニック戦略だけで会社が大きく成長できる事業環境にあるかと言われれば、そのような状況にないことも事実です。また、M&Aの市場自体が高騰しており、短期的には一時的に減損処理を打たざるを得ない状況があるかもしれません。しかし、中長期のスパンで見れば、まずは先行的に売上をしっかり増やしたうえで、その後にそれに見合う利益を生み出していくことができると考えています。
――日系メーカーの進出が続くインドについてはいかがでしょうか。
大槻 インドが最重要エリアのひとつであることは間違いなく、成長投資の振り向け先のひとつです。ただ、M&Aの可能性を排除するものではありませんが、現状においては日系を中心とした自動車や半導体企業の現地進出に合わせて、工場近隣に倉庫を建設するなど設備投資での対応が中心になると思います。
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